ブログポリシー

カテゴリー

静岡うなずきチェック100!

腰くだけ方言講座

お前もデカなら足で稼げ

ビバ! 遊び場!

静岡有名人列伝

ジモティック・コラム

ホンでもってGO!

めるまがバックナンバー

メルマガ登録・解除
静岡ジモティーズ
   
バックナンバー
powered by まぐまぐトップページへ

最近の記事

最近のコメント

バナジウム天然水「朝霧のしずく」ペットボトル

TNCクーポンズ

TNCトップページへ

にほんブログ村 地域生活ブログ 静岡情報へ

人気ブログランキング

最近のトラックバック

バックナンバー

2007年7月 4日 (水)

【方言】第14回 ちんぷりかえる

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

今回はかつての同僚で、東京育ちのMさんの体験談です。

Mさんはその日、会議に出席していました。議題は進み、ある部署の業務の変更について、議論が始まります。Mさんにとって直接は関係の無い議題だったので、聞く側に回っていると、磐田市出身の部長の口からこんな言葉が発せられました。

「でもそれだと、前からいるスタッフが、ちんぷりかえるかもなあ……」

ハッ? ヘッ? なに? ち、ちんぷい?
未知の言語に直面して混乱するMさんに、隣にいた同僚が追い討ちをかけます。
「そうですねえ、ちんぷりかえるかもしれないですねえ……」

あたし以外にはこの言葉分かるのか! なにその「ちんぷりかえる」って!

考え込む3人のうち、2人は同じ問題について頭をめぐらせていましたが、残る1人が激しく悩んでいたのは「ちんぷりかえる」の正体についてでした。


【ちんぷりかえる/ちんぶりかえる】[動詞(自)]
【ちんぷりかく/ちんぶりかく】[慣用句]
すねる。むくれる。ふてくされる。へそを曲げる。
《類義語》 ぶそくる

2007年6月21日、新ドラマの制作発表会見で、静岡県の誇るアイドル女優・長澤まさみ嬢がぽろりとこぼしたことから、一気に全国で有名になった方言である。妙にかわいい音の言葉でありながら、なにやらシモネタ系の語感をも併せ持つため、「あの清純派女優が、いったい何を口走ったんだ!?」と各所で話題になったようだ。

テレビで会見の模様が流されたときには「すねて」という翻訳字幕が入っていた。もはや外国語扱いだ。ただし、<お父さんとの喧嘩の末に二人ともちんぷりかえって>という文脈からすると、もう少し腹を立てているニュアンスが強い「むくれかえって」などを当てたほうが、翻訳としては適しているかもしれない。

「ちんぷりかえる」は静岡県内広域で使われる方言であるが、やはりまさみ嬢の故郷・磐田市の属する西部地区で使用頻度が高い。

上で挙げているように「ちんり」「ちんり」という「ぷ」と「ぶ」のパターンがあり、また「かえる」と「かく」のパターンがある。

「かえる」パターンは音変化して「かーる」「きゃーる」となったものがある。また、「かく」パターンには少し語感を強めた「ちんぷりこく/ちんぶりこく」という表現もあるようだ。

「かく」より「かえる」のほうが、より強い状態を表すようで、静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』では

「ちんぷりかーる」となると、ちょっと手がつけられないくらい、すねまくった状態だ。

とある。

「ちんぷり/ちんぶり」の語源はよくわからない。「カチンとくる」だとか「ぷりぷりする」という怒りの表現があることを考えると、擬音からの由来を持つのかもしれない。

私見だが、この方言、「ちんぷりかく」というのが元の言葉に近い、文法的により正しい表現に思える。

「ちんぷり」が「むくれた様子」を表す名詞。「かく」は「べそをかく」「ほえづらをかく」などの「かく」で、「好ましくないものを表面に出すこと」。これで「ちんぷりをかく」の完成だ。

そして、「ちんぷりをかく」─助詞省略→「ちんぷりかく」─状態表現→「ちんぷりかいてる」─音変化→「ちんぷりかえってる」─音変化→「ちんぷりかえる」となった、というのが筆者の推論である。

これは、「ちんぷりかえる」は良く言うが、「ちんぷる」はあまり言わないことが根拠だ。

通常「~かえる」は、動詞の連用形に付いて「ひどく……する」という意味で使われる。「むくれる⇒むくれかえる」のような関係だ。

しかし、「ちんぷりかえる」は、動詞「ちんぷる」に「かえる」がついた形ではなく、「ちんぷりかえる」でワンセットになっている感が強い。故に、上で述べたように「(を)かく」という表現から、語変化を経て直接「ちんぷりかえる」が生まれた、という仮説を立てたのである。合っているかどうかはわからないので、さらっと聞き流して欲しい。

ところで、長澤まさみ嬢のおかげで一気に有名になった「ちんぷりかえる」。せっかくなので、ここは思い切って「ちんぷりかえる」を全国にデビューさせてみてはどうだろうか。こんなふうに。

磐田市新マスコット ─ ちんぷりカエル ─
ちんぷりカエル
常に不満を抱いて日々を暮らしている、反癒し系ストレスキャラ。自らが両生類であるという事実にも、イマイチ納得していない。気に入らないことは多いが、今現在一番腹を立てているのは、色すら塗られていないこの絵のやっつけ仕事ぶりに対してである。

いかがだろう。なかなかイケているではないか。このデザインならキャラクター商品化もバッチリだ。

ちんぷりカエルストラップ、 ぬいぐるみちんぷりカエル、ちんぷりカエルキーホルダー、木彫りのちんぷりカエル、ちんぷりカエルサブレー。

打倒・まりもっこり。打倒・ひこにゃん。「ちんぷりカエル」に夢は広がる。

<by Ko>


人気ブログランキング地域ブログとして参加中! トップ10あたりをうろうろ中
にほんブログ村 地域生活ブログ 静岡情報へにほんブログ村にも参加してみました!

【関連リンク】
長澤まさみ会見で「ちんぷりかえる」全国デビュー

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介
⇒ 静岡方言の本『しずおか方言風土記
⇒ 静岡方言の本『読んでごろじ 静岡方言考

TNC楽天ブックス インターネット上で買い物ができる総合書籍販売店。なんと約60万点のアイテムが調達可能!あなたのお探しの本をここで見つけてみませんか?

【腰くだけ方言講座】目次へ

09:00 on 2007/07/04 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (10) | トラックバック (0)

2007年3月 4日 (日)

【方言】第13回 ぐらす

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

会社帰りの道で、目の前をある母娘が歩いていました。娘さんのほうは中学3年生くらい。オシャレにうるさくなる年頃なのでしょう、気合の入ったファッションに身を固めています。

そんな姿をちょっと後ろから眺めていたお母さん。娘さんの履く厚底の靴をしげしげと見つめながら、さも感心しないという様子でつぶやきました。
「なんか、あんたそれ、ぐらしそうだねえ」

おお、「ぐらす」! この方言はわかるぞ。
神奈川で暮らしていた子供時代、砂利道をふにゃふにゃ歩いていたら、富士宮出身の母に「足ぐらすよ!」と怒られた覚えがあります。

私「ぐらす? なにそれ?」
母「あれ……? 知らない? えーと……『ひねる』? 『くじく』?」

あの時は二人して首をかしげたよなあ……。

そんな思い出にふける私の前で、当の母娘は
「だいじょうぶだよ、お母さん、うるさいなあ!」
「でもなんか、危なっかしくてさあ……やめたら?」
とプチ親子ゲンカを繰り広げていたのでした。

<By Ko>


【ぐらす・ぐらかす】[動詞(他)][サ五]
(1)(足首を)くじく。ひねる。
(2)(ものを)ちょっとずらす。

ほぼ「足首をくじく」という意味に限定された、かなり用途の狭い言葉である。ごくまれに、「(重いものを)ちょっとずらす」、例えば「庭石をぐらす、ぐらかす」というような使われ方をするらしい。

使われる場面が少ないが故に、方言であることが発覚しづらく、他の地方に移り住んでしばらくした後に「えっ? <ぐらす>って方言なの?」と愕然とする例が多い。ただし、「ぐりっとなる」という音感を持っているため、足首をひねったイメージは他の地方の人にも、比較的伝わりやすいかもしれない。

「ぐらす」の自動詞は「ぐれる」。

「ぐれる」は共通語では「不良になる」を意味するが、静岡では「不良になる」「足をくじく」の両方の意味を同時に持っている。そのため、「あそこんとこの子、学校でぐれちゃったらしくて」と聞いて「不良になっちゃったのか……何があったんだろう」と思っていると単に足をケガしただけだったり、その逆もあったりするようだ。

辞書で調べてみると、「ぐれる」には、「予期した事が食い違う。見込みが外れる」という意味も存在する。

そうしてみると、「ぐれる」という言葉の根底にあるのは、どうやら「正常な状態からずれる」というイメージらしい。

「まっすぐあるべき足首の方向が物理的にずれる」⇒「くじく・ひねる」
「まっとうな姿から人道的にずれる」⇒「不良化する・ひねくれる」
「こうなるだろうという予測からずれる」⇒「見込みが外れる」

さて、そもそも「ぐれる」は名詞「ぐれ」を動詞化した言葉だそうだ。この「ぐれ」が
(1)物事が食い違うこと
(2)まともな道からはずれること
という「ずれる」の意を持っている。

「ぐれ」のルーツを探ってみたところ、「ぐれはま」という言葉を略したものであることがわかった。さらにたどると「ぐれはま」は「ぐりはま」がなまった言葉。さらにさらに「ぐりはま」は、「はまぐり」を芸能界用語的にひっくり返したものであることが判明した。

はまぐりは、古式ゆかしい遊び「貝合わせ」に使われる貝。
20070301a
二枚貝であるこの貝は、もともとが同じ貝どうしのものでないと、貝殻を合わせたときにぴったり合わない。この性質を利用して、並べた貝殻の中から対になるものを当てる遊戯が「貝合わせ」である。

この遊びにおける「はずれ」、つまり貝と貝とがぴったり合わなかった状態を、「はまぐり」をひっくりかえした「ぐりはま」と称したらしい。このことから、「合わない」「ずれている」ことを「ぐりはま」と言い習わし、「ぐりはま」→「ぐれはま」→「ぐれ」→「ぐれる」→「ぐらす」として今に伝わっているわけである。

その昔、シャレからできたゲーム用語が、「ずれる」という原義を背負って、「ぐれる」という共通語や、「ぐらす」という静岡方言として残っていることになる。なかなか粋なセンスと歴史を感じさせる言葉だ。

<by Ko>


人気ブログランキング地域ブログとして参加中! トップ10あたりをうろうろ中
にほんブログ村 地域生活ブログ 静岡情報へにほんブログ村にも参加してみました!

【関連リンク】
「ぐりはま」の解説(日本語俗語辞書)

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介
⇒ 静岡方言の本『しずおか方言風土記
⇒ 静岡方言の本『読んでごろじ 静岡方言考

TNC楽天ブックス インターネット上で買い物ができる総合書籍販売店。なんと約60万点のアイテムが調達可能!あなたのお探しの本をここで見つけてみませんか?

【腰くだけ方言講座】目次へ

09:00 on 2007/03/04 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月 7日 (火)

【方言】第12回 チョビチョビ

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

これは、私がスーパーで買い物をしていたときのことです。

果物・野菜やお肉など、一通りのものをカゴに入れてから、チョコでも買ってくか、とお菓子コーナーに向かいました。
そこにはやはりというべきか、たくさんのお子さんの姿と、それを追い立てるお母さん方がいました。

親ってのは、大変じゃのう……などとつぶやきつつお菓子を眺めていたら、後ろで1人のお母さんが大きな声を出しました。

「チョビチョビすんじゃないのこの子は!」

!? なに? なんですとー? ?

まず思い浮かんだのは、チャップリン。そして加藤茶の2人の顔。
つぎに脳裏に表れたのは「チョメチョメ」のような「伏せ字表現」。
ちょっとお母様、ご子息は伏せ字にしないと言えないようなことをなさって!?

「落ち着きなくうろつきまわる」の意味だとはっきり知ったのは、数日後に電話で話した、富士出身の母からの情報でした。


【チョビチョビ-する】[動詞(自)][サ変]
(1)うろちょろする。ちょろちょろする。うろつきまわる。
(2)落ち着きがなく、軽々しい言動を起こす。

一般には上で挙げたように「ちょびちょびする」というサ変動詞として使用されるが、
・「チョビくる」といった省略語表現
・「あんたはチョビだね」といった名詞・形容動詞表現
・「あいつチョビいよな」といった若者用語的な形容詞表現
も存在するようだ。

傑作しぞーか弁』には

静岡近辺の学校では「チョビ」は常用語。「あいつチョビ」「ばかチョビい」などと非難される子は仲間内でかなりランクが下がる。口が軽かったり、お節介やきだったり、そう悪気はないのだけれど結果的に余計なことをしてはた迷惑になるような子らしい。(74ページ下段より)

と記されている。どうやら、「おっちょこちょい」のような愛すべき人物への表現ではなく、落ち着きのなさが行き過ぎて、ややうとましく思われるキャラクターに到達してしまった際の表現のようだ。

対義語に当たる静岡弁は「しょろしょろ」になるのだろうか。こちらは、共通語で言うところの「ぐずぐず」「もたもた」。こちらもやはり「しょろしょろしてんじゃないの、この子は!」などとお母さんが子供をしかるときに現れる。

音の似ている「チョボチョボ」=「ほんのすこしずつ」とはかなり意味が異なるところも要注意だ。全国的に言えば「チョビチョビ」は「日本酒をチョビチョビ飲む」のような使い方が主流。「チョボチョボ」と似たような意味である。

「チョ」という音には「ちょっと」「ちょくちょく」「ちょっぴり」など「少ない」「小さい」という語感がある。「ウチの子がチョビチョビする」も「日本酒をチョビチョビ飲む」も、「すこしのモノや動きを軽んずるマイナスイメージ」という根っこでは、共通している。一言で言えば「ダイナミックさがねえな!」という感覚が「チョ」の音なのだ。

さて、この静岡方言「チョビチョビ」、共通語の同意語「ウロチョロ」より強い表現になっている印象がある。また、他を見渡してみると、静岡方言には「おだっくい(お調子者)」「まめったい(まめまめしくよく働く)」「きっちゃか(てきぱき)」「ちゃっと(てばやく)」など動作の速いことを表す方言も比較的多い。

ここで仮に、言葉というものが、
A)頻繁に現れるがゆえに、繰り返し表現すべき状況
B)めったに現れないがゆえに、強調して表現すべき状況
の2つについて進化・発展しやすいと考えてみよう。

するとこれらの「スピーディ系」語群は、「県民性としてのんびりしている」といわれる静岡において、珍しいからこそ進化した、Bのケースの語群なのかもしれない。とはいえ、静岡県は地域によってその県民性にかなりの違いが見られるので、まだまだこのあたりは検証すべき余地が大きそうである。

<By Ko>


【関連リンク】

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介
⇒ 静岡方言の本『しずおか方言風土記
⇒ 静岡方言の本『読んでごろじ 静岡方言考

TNC楽天ブックス インターネット上で買い物ができる総合書籍販売店。なんと約60万点のアイテムが調達可能!あなたのお探しの本をここで見つけてみませんか?

【腰くだけ方言講座】目次へ

09:13 on 2006/11/07 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2006年6月29日 (木)

【方言】第11回 みるい

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

今回のテーマ方言は「みるい」です。

始めは「柔らかくて、みずみずしい」という意味と聞きました。
しかし「熟していなくて、青臭い」だという人もいる。
さらに食べ物だけでなく、「幼い」の意味でも使う……?

私の調べた限りでは、この言葉、元は「お茶栽培用語」らしいです。
「みるい」とは「新茶に使う新芽の状態」。
だから「柔らかくて、みずみずしい」でありながら「未熟で幼い」!
方言を調べて、名産に行き着く。これぞ究極の静岡方言。

さあ、究極方言「みるい」。静岡県人なら使いましょう。
あなたの周りで青臭い行動をして失敗した人がいたら、
ニヒルに笑ってつぶやくのです。

「みるいからさ……」。


【みるい】[形容詞]
(1)柔らかい。
(2)幼い。若い。熟していない。
変化:みんるい(強調);みりっこい;みりっけー;

静岡方言の本『傑作しぞーか弁』にて、「もっと使ってほしい方言」のナンバー1に選ばれた、しぞーか弁オブしぞーか弁の形容詞である。

読んでごろじ 静岡方言考』によれば、「ナヤシ方言」と呼ばれる「長野(ナ)、山梨(ヤ)、静岡(シ)の地域語」に属するものらしい。奇妙なことに、岩手県にもこの言葉は分布しているようだ。

もっとも頻繁に現れるのは、味覚表現として。以前、テレビ番組に岸本加世子さんが出演し、「お茶を淹れた後のお茶っ葉に、味ポンをかけてそのまま食べる」という静岡ならではのお茶の楽しみ方を紹介していた。そのとき彼女が「みるくて、……えーと柔らかくておいしいだよー」と解説していたことを思い出す。

味覚表現としての「みるい」にはプラスとマイナス、どちらの意味もあって面白い。
プラスの意味の「柔らかい」。
  例文:このほうれん草、みるくてうんまいねー。
マイナスの意味の「熟していない」。
  例文:こんのトマトは、まーだみるくて、すっぱいやー。
どちらの意味なのかは、文脈によって判断することとなる。

「みるい」の語源は不明だが、「海松」「水松」と書いて「ミル」と読む海藻の一種が由来なのではないか、とも言われる。ゆらゆらと柔らかに海中をたゆたうこの海藻から、「柔らかい」⇒「ミルのよう」⇒「みるい」。そこから「茶栽培」に結びつき、「柔らかい茶葉は、すなわち若い」となり、「幼い」という意味が派生した可能性もある。

「幼い」という意味の「みるい」は、
「上の子はしっかりしとるだけぇが、下の子がまーだみんるいもんで」
といった形で使われる。

「みるい」という言葉には、「幼い・若い」ということを否定しない、成長を見守る愛情のようなものが感じられる。「確かに育ちきっていないが、それはそれで味がある。まあ、もうちょっと見ていようか」といったところだろうか。自然の恵み豊かな静岡らしい、のんびりとした人生観を示す言葉なのかもしれない。

<by Ko>

人気ブログランキング←「東海地区」の地域ブログとして参加中


【関連リンク】

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介
⇒ 静岡方言の本『しずおか方言風土記
⇒ 静岡方言の本『読んでごろじ 静岡方言考

TNC楽天ブックス インターネット上で買い物ができる総合書籍販売店。なんと約60万点のアイテムが調達可能!あなたのお探しの本をここで見つけてみませんか?

【腰くだけ方言講座】目次へ

08:27 on 2006/06/29 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (9) | トラックバック (0)

2006年3月 1日 (水)

【方言】第10回 いーやあ

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

果たして方言なのか分かりませんが、今回のお題は「いーやあ」。

主に女性が使う感嘆詞らしき言葉として、静岡に来てから耳にします。
特徴はそのイントネーション。「いー(↑)やあー(↓)」
という感じに上げ下げするのがコツのようです。

困った時、断りたい時などにバシッと「嫌!」ではなく、
やわらかく「いーやあー!」と叫びましょう。
英語なら「Oh,No!」中国語なら「アイヤー!」ですね。

静岡県人と中国人の混成グループが困った時は、
静岡県人(女):いーやあー!
静岡県人(男):やいやい!
中国人:アイヤー!

「ア」と「イ」と「ヤ」の3音による国際交流。スバラシイ。


【いーやあ】[感嘆詞]

もちろんのことながら「嫌(いや)」を意味する言葉だが、拒絶というより「掛け声」「合いの手」のようなイメージが強い。つまりは感嘆詞なのであろう。

必ずしもバリバリの拒絶というわけでもなく、照れや困惑、ちょっとしたからかいを表すケースも見受けられる。おばちゃんチックな「あらやだ」や、ちびまる子ちゃんでよく見かける「やだよォ」などに近い言葉と言える。

そもそも「嫌(いや)」のイントネーションに、共通語と静岡弁とでは違いがある。共通語では後ろの「や」にアクセントがあり、「い」という感じなのだが、静岡では「や」と前にアクセントがあるようだ。

以前にとりあげた「ばか」もそうなのだが、静岡弁には「否定的な表現を、やんわりと感嘆詞的に使う」という特徴があるような気がする。
「ばっか、そこの交差点を右だよ」(違うよ、というような意味での「ばか」)
「いーやあ! 今頃持ってきたの?」(困惑を示す「いーやあ」)
「うっそ! それいつの話?」(確認や驚きを表す「うそ」)

「ばか」「いや」「うそ」など、どれもそれ自体では強い否定の言葉を、やわらかく「つなぎの掛け声」的に使っている。「やいやい」もこの仲間と言えるかもしれない。

なぜいきなり否定的な言葉を感嘆詞として使うのか? このあたり突き詰めていくと静岡の県民性につきあたりそうな気がする。

<by Ko>


【関連リンク】

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介
⇒ 静岡方言の本『しずおか方言風土記
⇒ 静岡方言の本『読んでごろじ 静岡方言考

人気ブログランキング←「東海地区」の地域ブログとして参加中


【腰くだけ方言講座】目次へ

07:00 on 2006/03/01 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2006年1月 6日 (金)

【方言】第9回 いかい

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

まだ私が静岡県にやってきて間もない頃のことです。
上司に書類を持っていったところ、こう言われました。
「あ~、わりいんだけど、この表、いかくして。」

い、いかく? なんだ、「いかく」って? ……威嚇? 
シャー! ふしゅー!……って表を威嚇してどうする。

落ち着け……「いかくする」の目的語は「表」……訳語の候補はおのずと絞られる……状況を思い出せ……見えづらそうに目から離していた……すると「大きく」…か?

拡大コピーを持っていった私に、上司は笑顔で言いました。
「お、わりいっけな。」
当たった! ビンゴだ! やったぜ親父!

かくして男は推理力を駆使し、ザ・静岡県人への階段を一歩ずつ登っていくのでした。

<by Ko>


【いかい】[形容詞]

「大きい」の意。主にサイズとしての大きさに対して使われるようである。例文:「いかいいかかね?」(大きなイカですか?)

比較的フランクな形容なので、「大きい」よりは「でかい」のほうがよりニュアンスとしては近い。もしもマギー審司が静岡県人だったなら「耳が……いっかくなっちゃった!」となるわけだ。

若年層が「いかい」を使うケースはあまりなく、「ずら」のように廃れつつある方言の一つと言える。「いかい」は西から伝播したらしく、京都~滋賀などの方言としても聞かれる。もともとは古語辞典にも掲載されている由緒ただしい言葉で、漢字で書くと「厳い」となる。「いかめしい」「いかつい」などと語源を一にし、「大きい」のほかにも「猛々しい」「多い」「はなはだしい」などの意味を持つ、ストロングな言葉であったようだ。

上でもでてきた「でかい」という言葉だが、この「いかい」という形容詞に、強調の接頭語「」をつけて「どいかい」とし、それが縮まって「でかい」となったとする説が有力である。そんな由来を聞くと、「でかい」よりも「いかい」のほうが典雅な表現に聞こえてくるから不思議なものだ。


【関連リンク】

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介

人気ブログランキング←「東海地区」の地域ブログとして参加中


【腰くだけ方言講座】目次へ

19:48 on 2006/01/06 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2005年11月29日 (火)

【方言】第8回 っち

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

電車などで女子高生の話を聞くともなしに聞いていると
時折出てくるのが「うちっちはさ~」「あの子っちはね~」。
「っち」。どうやらこれは複数を表す静岡弁接尾語らしい。
東京弁でいうところの「たち」に当たるようですね。

<『っち』の用例と翻訳>
うちっち → 私たち we
あの子っち → 彼ら・彼女ら they
たまごっち → 複数のたまご eggs
パパラっち → パパラの連中 paparas
モンチっち → モンチ衆 monchies
モンチッチっち → 群れをなすモンチッチ monchi-chies

<by Ko>


【っち】[接尾語](複数)/[名詞](の家)

共通語の「~たち」と音としては似ているため、東京などで使ってもまったく意味が通じないことはないと思われる静岡方言である。ただ、うかつに「俺ッち」と口にすると、「かわいいぃ~」などとからかわれてしまうことはあるようだ。「かわいいぃ~」と言われてみるのも悪くないと思う方は、試してみて欲しい。

静岡で「あたしっち」と言った場合、上記で取り上げられているような「あたしたち」にあたる複数形の意味の他に、「あたしのうち」=「あたしの家」を示すこともある。どちらの意味なのかは文脈から判断することとなる。

が、「あたしたち」「あたしのうち」いずれにせよ、自分を内包する小さな空間・グループを意味するので、さほどに大きな誤解は生じないのが面白いところだ。「達」「家」「内」「ウチ(わたし)」「血」「地」など、「ち」という日本語の音には、どこか内側に向かうイメージがあるのかもしれない。

上記「モンチッチ」のように、日常生活で「ッチ」のつく言葉を見かけたら、ひそかに心の中で「~たち」「~のうち」の意味に変換してニヤニヤしてみるのも一興だ。静岡人ならではの楽しみである。


【関連リンク】

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介

人気ブログランキング←「東海地区」の地域ブログとして参加中


【腰くだけ方言講座】目次へ

11:13 on 2005/11/29 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2005年10月30日 (日)

【方言】第7回 ら

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

今回とりあげますのは、静岡方言の横綱「ら」です。
シンデレラが死んでるらぁ~?
という静岡ならではのダジャレを成立させる「ら」「だら」は、
東京弁の「ろう」「だろう」に当たる確認・推定の語尾ですね。
静岡弁の中でも、腰くだけ度の高いやわらか方言と言えましょう。
「しゃんねーら?」などはまるでスペイン語かイタリア語のよう……

ハッ!? ……静岡は、柑橘類の採れる温暖な海沿い地域……
お祭り大好きサッカー大好きの陽気な県民性……そして「ら」……

私はここに、一つの仮説を提唱いたします!
「静岡県人=日本のらテン民族」説!!
これが当「腰くだけ方言講座」の達した結論です! ……だめ?

<by Ko>


【ら】[助動詞][確認・推定]

かなり特徴的な静岡方言の語尾である。意味としては上記の通り、「ろう」「だろう」に当たる確認・推定。「旅行、行くだろ?」の意味で「旅行、行くら?」と言ったら、「幾ら?」だと思われて「2泊で宿泊費は3万くらいかな」とリアクションされてしまった、などというエピソードが散見される。

上で例として出てくる「しゃんねーら?」は「しょうがない」あるいは「しょうもない」の意味を表す静岡方言「しゃんねえ」と語尾「ら」のあわせ技。「そんなこと、今言ったってしゃんねえら?」のように使い、「しょうがないだろ?」の意味になる。「シャンネーラ」と書くと「シャネル」とか「シャングリ・ラ(理想郷)」みたいでおしゃれだ。

ちゃっきりぶし」の「あめづらぁよぉ~」という歌詞や、『ドカベン』トノマの「~ズラよ」というセリフのおかげで、他県では「静岡では『ずら』を使う」というイメージがあるらしいが、「ずら」は現在かなり廃れており、使うのはかなり年配の方である。

一方、ほぼおなじ意味の「ら」「だら」はまだまだ健在で、若年層でも日常的に使用する。県内の広い地域でメジャーだが、比較的西部で使用頻度が高いようだ。

「ら」と「だら」の使い分けはなかなか難しく、「行くら」とは言うが「行くだら」とは言わないだとか、微妙に意味が変ってくるだとか、地域によって違うだとか、様々な説が存在する。

静岡弁は全体的にふにゃっとした音のものが多く、ケンカでの使用には向かない方言だが、この「ら」はその最たるものであると言えるだろう。


【関連リンク】

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介

人気ブログランキング←「東海地区」の地域ブログランキング


【腰くだけ方言講座】目次へ

08:00 on 2005/10/30 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2005年9月29日 (木)

【方言】第6回 うちゃらかす

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

<静岡に来て4年目のサラリーマンKoさんの体験>
そう、あれは私が静岡に来て1ヶ月くらいの時でした。
コピー機が止まってしまって困っていると、先輩が言いました。
「まあ、とりあえず、それはうちゃらかしておきな。」
(う、うちゃ? うちゃだらぱー?)

今であれば「放っておきな」の意味であるとわかりますが、
あの時は私も静岡県人として、まだ未熟だったのです。

瞳孔開き気味、口半開きのぽかんとした顔をしていると
「……あれ?これって方言?」「え? そうなの?」
とまわりも顔を見合わせて、驚いた顔で私を見ました。
はじめて感じた、ちょっと異邦人な瞬間。

<by Ko>


【うちゃらか・す】[動詞][サ行五段活用]

ほうっておく、そのままにしておく、の意。相撲の「うっちゃり」と語源を一にする動詞である。スチャラカな感じの音が楽しい。「ほうっておいてしまう」を静岡弁変換すると「うっちゃっちゃう」となり、さらに楽しい。

Uxtu
chauchau

語源は「打ち遣る(うちやる)」であり、「捨てる」という意味の「遣る」に接頭語的に「打ち」が付いて強まったもの。これが音便によって「うっちゃる」となり、さらに「はべらかす」にみられるような「~の状態にさせる、しておく」といった意味の「~らす」「~らかす」が付いたものといえよう。


【関連リンク】

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介

人気ブログランキング「東海地区」の地域ブログランキング


【腰くだけ方言講座】目次へ

08:00 on 2005/09/29 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2005年9月19日 (月)

【方言】番外編・愛鷹PAでみつけたもの

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

今回は番外編。東名高速・愛鷹パーキングエリアで静岡方言に関するものを見つけましたので、ここで紹介しようと思います。

ashitakapa

「覚えよう!静岡方言」と題した大きな案内板。

ラインナップは、ごせっぽい・そうずら・おぞい・やっきり・おまっち・おとましい・やぶせったい・みるい・あらすか・ぶっさらう・ぼったってる・せわしい・たんと・ひゃっこい・ちょっくら・しょんない・ぶそる・かんだるい・いかい・せんころ・ぬくとい・ぶしょったい・さばける・せつない・ええかん・こわい・なり・きゃあーる・こればっか・こば。共通語と静岡方言の対訳になってます。

焼そばやうどんを売っているカウンターの上に、でーんと掲示してあります。愛鷹PAの上り・下りどちらにもあるので、寄った際には見てみてください。

<by Ko>


【関連リンク】

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介

人気ブログランキング「東海地区」の地域ブログランキング


【腰くだけ方言講座】目次へ

17:21 on 2005/09/19 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005年8月 4日 (木)

【方言】第5回 ばか

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

ばか。
……怒ってはいけません。今回とりあげる静岡方言です。

東のばか、西のアホ。言わずと知れた罵詈雑言の横綱ですね。
静岡の「ばか」は東京の「ばか」よりすこし意味が軽いようです。
「あーばかばか、ちがうよ」「ばっか、そうじゃないって」など、罵声というよりは軽い『否定』を示すフレーズとして、よく顔をのぞかせます。

さらに静岡の「ばか」は、形容を強める副詞としてご活躍です。
「うわ、ばか混んでる」「ばかあちぃー」「ばかしょんねえ」など、「チョー○○」とほぼ同じ万能型強調表現としてポピュラー。

これは……ひょっとして、「ばか美人」「ばかかっこいい」、さらには「ばか頭いい」なる表現もアリなんでしょうかみなさん!?

<by Ko>


【ばか】
[形容詞][副詞]
形容詞としての静岡方言「ばか」は、「愚か」というほどの強い意味を込めて使われることはあまりない。関西弁の「アホ、ちゃうがな」という時の「アホ」程度の軽いニュアンスで、「ばっか、ちがうって」と使われることが多い。まるで「丸い焼餅を雑煮に入れる」的な、東西文化の混合状態であり、こんなところにも「東西の境界線」としての静岡を見ることができる。

他の地方の人に静岡的な「ばか」を使う時には、注意が必要である。関西の人間に「ばか」と軽く言うと、言われ慣れていないためにムッとされることがあり、関東の人間に「ばか」と軽く言うと、「愚か」という意味にとられてさらにムッとされる恐れがある。

「ばか~」という副詞としての使用法は、かならずしも静岡特有のものではない。が、関東などでは「ばかに暑い」「ばかに忙しい」などと「に」が入ることが多く、また、いい意味で使われることはほとんどない。「機械がばかになった」という表現があるように、「歯止めが利かなくなっている状態」というマイナスイメージがあるのだろう。

このような万能型強調表現は「チョー○○」「めっちゃ○○」「でら○○」「わや○○」「ばり○○」「なまら○○」など、地方色が豊かな言葉である。

人気ブログランキング「東海地区」の地域ブログランキング

【腰くだけ方言講座】目次へ

13:00 on 2005/08/04 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2005年7月13日 (水)

【方言】第4回 「やいやい」

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

今回のテーマ方言は「やいやい」。
しっぽのながいおさるさん。それは「アイアイ」。(ツカミです)

東京弁の「やれやれ」「いやいや」に近い感嘆詞でしょうか?
かと思うと単なる挨拶みたいに使ったり、ほんっとーに
無意味にくっつけたりもするみたいですね。……謎だ。
清水あたりのいわゆる「中部」でメジャーな言葉のようですね。
 
《「やいやい」使用方法》
 【用法】慨嘆する時、困った時などに、語調を整えるように軽く添付。
 【例文】「やいやい、たいしたもんだ。」「こりゃ大変だ、やいやい。」
 【効能】雰囲気を和らげる。やや前向きになれる。リズミカルになる。
 【副作用】強い調子での使用は、空気をとがらせる。

 『やいやい』は用法・用量を守って正しくお使いください。

<written by Ko>


【やいやい】 
[感嘆詞]
言葉自体にたいした意味はないようである。上記の通り、困ったときや感心するときなどに「やいやい」と独り言のように発する。静岡県の生んだ偉大なクリエイター・さくらももこ氏のエッセイに、たしか「父親の意味のない口癖」として紹介されていたはずで、やはり中部地区でよく使われるようである。筆者がはじめて生で聞いたのも、静岡市出身の先輩がやっかいな仕事を頼まれたときに、くちの中で「やいやい」とつぶやいてた、というものであった。
ケンカっ早い江戸っ子の発する「やいやい!」とは、まったく使うシチュエーションもノリも違うということに注意が必要である。

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介

人気ブログランキング「東海地区」の地域ブログランキング

【腰くだけ方言講座】目次へ

14:38 on 2005/07/13 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (7) | トラックバック (0)

【方言】第3回 「だもんで」

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

今回とりあげる静岡方言は『だもんで』。私の思い出の言葉です。
私が初めて無意識に使い、ツッコまれた静岡方言なのです。
東京弁だと『だからさ』『それでね』といった接続詞ですね。

あれは横浜在住のある方と飲んでいた時でした。
「……なんですよ。だもんで……」といった途端、
「『だもんで』だぁ? 君もすっかり静岡県民になったな!」

ちなみにツッコんだこの方、コテコテの静岡県人でありながら、
本籍まで横浜に移し、「俺は横浜市民だ!」と言い張っている
「なんちゃってハマっ子」です。

最初の上司が『だもんで』連発の人だったのです。
だもんで、うつっちまっただよー。しゃんねーら?

<written by Ko>


【だもんで】 
[接続詞] [順接]
共通語だと「~なもので」「ですから」「それで」といったところ。「~だもんで」というように続ける場合と、いったん文を区切ってから「だもんで」と続ける場合がある。「AだもんでB」の形で使用し、理由Aを述べた後に、その影響・結果としてのBにつながるというのが、正式な語法だが、それほど因果関係のはっきりしないAとBを漠然とつなげることも多い。英語で言えば"so"が一番近いだろう。
静岡人がしどろもどろに言い訳をするときなどに、良く聞かれる接続詞である。

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介

人気ブログランキング「東海地区」の地域ブログランキング

【腰くだけ方言講座】目次へ

14:24 on 2005/07/13 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (2) | トラックバック (0)

【方言】第2回 「け」

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

今回は『け』について皆さんと考えてみたいと思います。
「……毛?」 ちがいます。ぽっ。はしたない。

私が静岡に来て初めに方言を感じたのが、語尾の『け』。
もちろん、東京弁にも語尾の『け』はありますが、
「どこに置いたっけ?」のように「軽い疑問」という感じ。

「あー、忘れてたっけ! わりいっけや~!」の『け』に、
(その『け』は何!? 私の中にはそういう『け』はないのに!)
とライトな言語的違和感を味わったことを思い出します。

東京弁の『け』と同じ使い方もするみたいですが……
静岡の『け』は、東京の『け』よりずっーと軽いのかな?
言うなれば、静岡の『け』は、ふわふわ?

<by Ko>


【け】
[助動詞]動詞の終止形につく
静岡では男女、年代を問わず広く用いられている。共通語にも存在する語尾であるため、方言として目立つものではないが、その使用法を観察してみると、あきらかに方言。

共通語の「け」は、「君は浜松の出身だったっけ」とか「あの書類はどこにファイルしたっけ?」のように、確認・軽い疑問という使い方をする。もちろん、こうした「け」の使い方は静岡にもあるが、静岡の「け」にはさらに他の用法がある。それが上記「忘れてたっけ」の「け」であり、また「笑っちゃったっけ!」の「け」である。この用法は共通語にはない。

静岡の「け」は、現在完了・過去・過去完了の時制を持ち、「振り返りつつ感嘆・慨嘆する」という意味を持つようである。「~だったなあ」といったところか。調べてみたところ、これは古典で出てくる「けり」が語源となっているらしい。つまり「ばーか笑っちゃったっけ!」を訳せば「大いに笑ってしまったことよ」となる。静岡の「け」はなかなかに由緒正しい。

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介

人気ブログランキング「東海地区」の地域ブログランキング

【腰くだけ方言講座】目次へ

11:32 on 2005/07/13 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (7) | トラックバック (0)

【方言】第1回 「かじる」

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

まずは衝撃の事実から。
静岡出身のみなさま、「かじる」は方言です。……ショック?

東京弁での「かじる」は基本的に
「リンゴをかじると歯ぐきから血が出ませんか?」のように、
「歯でかんで削り取る」の意味。
「(かゆいところを)かく」の意味はないのです!

「あー、蚊に刺されたの? かじると余計かゆくなるよ!」
と東京モンに言ったりすると、「?」という顔をされたり、
「こんなとこ、かじれるか!」とキレられたりします。

人間関係を円滑に維持するためにも、
「『かじる』って方言なんだよなぁ……」と常々確認を。

<written by Ko>


【かじる】 
[他動詞] [ラ行五段活用]
共通語では、「歯で削り取る」といった意味しかないが、静岡においては「かじる」あるいは「かじくる」で、「(爪で)かく」「ひっかく」の意味になる。使う機会が限定される言葉であるためか、方言であることが露呈することが少なく、共通語だと思っている静岡人も多い。東京で使って意味が通じず、愕然としたという体験がしばしば見られる。

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介

人気ブログランキング「東海地区」の地域ブログランキング

【腰くだけ方言講座】目次へ

11:08 on 2005/07/13 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (3) | トラックバック (0)

【腰くだけ方言講座】目次

腰くだけ方言講座

この『腰くだけ方言講座』は、静岡方言についての勝手なコラムです。2002年夏と2003年夏にTOKAIネットワーククラブ会員向けに配信した特別メールマガジンの連載記事に、加筆修正をしました。新しいネタを思いついたら、書きおろす、かも?

【目次】上にあるものほど新しい記事です。
第14回 「ちんぷりかえる」
第13回 「ぐらす」
第12回 「チョビチョビ」
第11回 「みるい」
第10回 「いーやあ」
第9回 「いかい」
第8回 「っち」
第7回 「ら」
第6回 「うちゃらかす」
番外1 愛鷹パーキングエリアで見つけたもの
第5回 「ばか」
第4回 「やいやい」
第3回 「だもんで」
第2回 「け」
第1回 「かじる」

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介
⇒ 静岡方言の本『しずおか方言風土記
⇒ 静岡方言の本『読んでごろじ 静岡方言考

人気ブログランキング「東海地区」の地域ブログランキング

10:48 on 2005/07/13 【02】腰くだけ方言講座 | | コメント (25) | トラックバック (0)