原 ひさ子(女優)
原 ひさ子(はら・ひさこ) 女優 1909年8月6日~2005年12月5日
兄2人姉1人の四人兄姉妹の末っ子として、静岡市に生まれました。
旧制不二女学校時代は文学少女で、勤めに出ている母や兄の留守番をしながら、本棚から手当たり次第本を引っ張り出しては読んでいたそうです。短歌好きな兄の影響もあり、短歌を作って雑誌に投稿したことも。その頃の夢は小学校の先生で、まさか女優になるとは露ほども考えていなかったのだそうです。
女学校卒業後、東京の伯父の家に養女に行くことになり、上京。東京の母の「これからは女も手に職をつけなければいけない」という言葉に促され、1933年前進座に入団、新橋演舞場での『牛を喰らふ』で初舞台を踏みました。
1961年にNHKの教育番組『良太の村』でおばあちゃん役を演じてからは、150センチの小さな体と愛らしい笑顔で、「日本のおばあちゃん」の代名詞的存在に。『ロングバケーション』『踊る大捜査線』など、最近の名作テレビドラマにも数多く出演し、お茶の間で親しまれました。
米ニューヨークタイムズ紙では「日本の現役最高齢の女優」と紹介され、90歳を過ぎても「生涯現役」にこだわり続けた原さん。亡くなった日は、いつものように散歩をし、大好きな『笑点』を見てゲラゲラ笑い、中華料理を食べ「おいしかった、ごちそうさま」と言うと椅子に寄りかかって目を閉じ、眠るように旅立たれたのだそうです。
彼女のように優しく、穏やかに歳をとっていきたい。そんな想いを抱かずにはいられません。
<by あおい>
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