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2014年8月28日 (木)

背景美術の巨匠「山本二三展」~静岡市美術館~

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静岡市美術館で開催中の「山本二三(にぞう)展」に行ってきたよ♪
学芸員の青木さんに見どころを教えて頂きました。

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青木さん:山本二三氏(1953年-、長崎県五島市出身)は日本のアニメーションを支える背景美術の巨匠。

「天空の城ラピュタ」(1986年)、「火垂るの墓」(1988年)、「もののけ姫」(1997年)、「時をかける少女」(2006年)など、日本を代表する数々の名作に携わり、背景画家・美術監督として活躍されています。

本展では、未公開作品を含む、作者自らが選んだ手描きの背景画やイメージボード(準備段階に描かれるスケッチ)など、初期から最新作まで約200点を一堂に紹介し、山本二三氏の背景画の世界に迫ります。

青木さん:山本さんが若干24歳で初めて美術監督をつとめたテレビ・アニメ―ション作品「未来少年コナン」。

当時のSF作品では描かれることのなかった、機械や建物などの質感を表現することで、空想の世界にリアリティを与え、この素材感こそが山本二三氏の背景画を特徴づけるものとなりました。

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青木さん:窓の部分は切り抜かれています。別に描かれた雲を窓から見せつつ、雲の絵を動かすことで、ギガントと呼ばれる飛行船が空を飛んでいるところを表現しています。

Rabico背景画のセル画の部分を探して、「あっ!ここは動くんだな」と見つけると観賞が楽しくなるよ。

青木さん:背景画は一つの作品で膨大な量を描く為、背景美術スタッフだけで40人を超えることも珍しくありません。、イメージや色味、タッチの統一から他部門とのやりとり等を調和するために「美術設定」、「イメージボード」、「美術ボード」を使って美術監督が統括しています。

Koutei

青木さん:今回は普段目にすることのない部分である「美術設定」や「イメージボード」や「カラーボード」も展示され見どころとなっています。

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Rabico火垂るの墓のイメージボード。主人公も戦火も描かれていないのに、ストーリーが頭の中でよみがえってくるね。

青木さん:豊かな色彩感覚と細密な表現で、写実的な中にも“音”や“におい”“空気感”までもが見ている人に伝わってきます。

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青木さん:「じゃりン子チエ」の背景では、大阪の下町の湿った雰囲気を表現するために、一度描いた絵をあえて洗い流す「水洗い」という技法を用いて、石版版画のような風合いを出しました。

昔の瓦は、窯の温度が安定していなかったので一枚一枚が色が微妙に異なったそうですがそんな細かなところも細かく描かれています。

Rabico近いところだけでなく、遠くにある屋根の瓦までひとつひとつの色が違う細かさに感心しちゃう!

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Rabico「火」を描かなくても、光の描写でパチパチと音が聞えてきそうなほどの熱を感じる作品。さわったら「アチッ」ってなりそうなくらいリアルです。

もっとも印象深かったのが自身も「頭が痛くなるくらいに描いた。死んだら棺桶に入れて欲しい」というほど、細密に描かれた「シシ神の森」。

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青木さん:この絵は水が黒く描かれているのに透明感があり、厳かでひんやりとした雰囲気。ジッと見ていると吸いこまれてしまそうなその景色は「もののけ姫」を象徴するのにふさわしい背景となりました。

綿密な取材に基づく迫真性の高い表現で、山本二三氏は架空の世界に現実感を与えていると言えるでしょう。

Rabico上から差す“光”“コケ”“シダ類”が緑色の濃淡でかかれているんだけど、3Dのように奥行きがあって前から見ても横から見ても立体的にみえたよ!

青木さん:そして山本二三氏といえば「雲」の描写。輝きを持った積乱雲など雲の表現は「誰にも真似はできない」と言われファンからは「二三雲」とも言われています。

2006

青木さん:こちらは映画「時をかける少女」の宣伝ポスターの為に描かれましたが、実際のポスターでは、雲の部分のみ描き直すことになったので、原画でしか見ることのできない作品です。

Rabico今にも動きだしそうな雲だね!

青木さん:展覧会では作品の舞台である現地を訪れて撮影した写真や、山本さんの使用している道具や画材も展示されています。

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▲自他共に認める背景美術の極致という「火垂るの墓」の舞台となった神戸・西宮を取材した時の写真。

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▲ニッカーのポスターカラーは全65色。そのうちの24色が山本さんの基本色だそうですがそのまま使用することはなく絵皿の上で何色かを調合して使うそうです。

青木さん:普段1枚の背景画を目にするのは、ほんの一瞬ですが、細部まで緻密に描きこまれた背景画をじっくりとお楽しみください。

Rabico一つひとつの作品をみんなじーーーーっと観賞するから、中々先に進めなかったんだけど、やっぱりらびこも じーーーーーーーっと観ちゃいました。

「山本二三展」は2014年9月23日(火・祝)までです。

会期:2014年8月14日(月)~9月23日(火・祝)
開館時間:10:00~19:00(展示室入場は閉館30分前まで)
観覧料:一般900(700)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料
*( )内は当日に限り20名以上の団体料金
*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料

tel.054-273-1515(代表)


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(byあっきー)

※掲載内容は2014年8月7日取材の情報に基づいており、最新の情報とは異なる 場合があります。

※当社では、各店舗・施設・イベント等に関する個別のお問い合せにはお応え致しかねますのでご了承ください。

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