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2015年8月28日 (金)

【方言】第15回 やっきりする

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

この言葉を初めて聞いたのは、富士市に住む伯母からでした。

「まったく、うちの子もひとこと言えばいいのに、そういうところ気がきかないもんで、あたしゃほんとやっきりしちゃうやあ!」

やっきり? ちゃっきり?

正確な意味はわからないものの、伯母はイラだっている様子。口調と状況からして、どう考えてもいい意味ではありません。娘さん、つまり私の従姉に「やっきり」していることははっきりしています。

よくわからないなりに、私は伯母さんを「やっきり」させることの無いよう、気をつけようと思ったのでした。

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2007年7月 4日 (水)

【方言】第14回 ちんぷりかえる

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

今回はかつての同僚で、東京育ちのMさんの体験談です。

Mさんはその日、会議に出席していました。議題は進み、ある部署の業務の変更について、議論が始まります。Mさんにとって直接は関係の無い議題だったので、聞く側に回っていると、磐田市出身の部長の口からこんな言葉が発せられました。

「でもそれだと、前からいるスタッフが、ちんぷりかえるかもなあ……」

ハッ? ヘッ? なに? ち、ちんぷい?
未知の言語に直面して混乱するMさんに、隣にいた同僚が追い討ちをかけます。
「そうですねえ、ちんぷりかえるかもしれないですねえ……」

あたし以外にはこの言葉分かるのか! なにその「ちんぷりかえる」って!

考え込む3人のうち、2人は同じ問題について頭をめぐらせていましたが、残る1人が激しく悩んでいたのは「ちんぷりかえる」の正体についてでした。

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2007年3月 4日 (日)

【方言】第13回 ぐらす

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

会社帰りの道で、目の前をある母娘が歩いていました。娘さんのほうは中学3年生くらい。オシャレにうるさくなる年頃なのでしょう、気合の入ったファッションに身を固めています。

そんな姿をちょっと後ろから眺めていたお母さん。娘さんの履く厚底の靴をしげしげと見つめながら、さも感心しないという様子でつぶやきました。
「なんか、あんたそれ、ぐらしそうだねえ」

おお、「ぐらす」! この方言はわかるぞ。
神奈川で暮らしていた子供時代、砂利道をふにゃふにゃ歩いていたら、富士宮出身の母に「足ぐらすよ!」と怒られた覚えがあります。

私「ぐらす? なにそれ?」
母「あれ……? 知らない? えーと……『ひねる』? 『くじく』?」

あの時は二人して首をかしげたよなあ……。

そんな思い出にふける私の前で、当の母娘は
「だいじょうぶだよ、お母さん、うるさいなあ!」
「でもなんか、危なっかしくてさあ……やめたら?」
とプチ親子ゲンカを繰り広げていたのでした。

<By Ko>

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2006年11月 7日 (火)

【方言】第12回 チョビチョビ

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

これは、私がスーパーで買い物をしていたときのことです。

果物・野菜やお肉など、一通りのものをカゴに入れてから、チョコでも買ってくか、とお菓子コーナーに向かいました。
そこにはやはりというべきか、たくさんのお子さんの姿と、それを追い立てるお母さん方がいました。

親ってのは、大変じゃのう……などとつぶやきつつお菓子を眺めていたら、後ろで1人のお母さんが大きな声を出しました。

「チョビチョビすんじゃないのこの子は!」

!? なに? なんですとー? ?

まず思い浮かんだのは、チャップリン。そして加藤茶の2人の顔。
つぎに脳裏に表れたのは「チョメチョメ」のような「伏せ字表現」。
ちょっとお母様、ご子息は伏せ字にしないと言えないようなことをなさって!?

「ちょっかいをだす」「落ち着きがない」の意味だとはっきり知ったのは、数日後に電話で話した、富士出身の母からの情報でした。

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2006年6月29日 (木)

【方言】第11回 みるい

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

今回のテーマ方言は「みるい」です。

始めは「柔らかくて、みずみずしい」という意味と聞きました。
しかし「熟していなくて、青臭い」だという人もいる。
さらに食べ物だけでなく、「幼い」の意味でも使う……?

私の調べた限りでは、この言葉、元は「お茶栽培用語」らしいです。
「みるい」とは「新茶に使う新芽の状態」。
だから「柔らかくて、みずみずしい」でありながら「未熟で幼い」!
方言を調べて、名産に行き着く。これぞ究極の静岡方言。

さあ、究極方言「みるい」。静岡県人なら使いましょう。
あなたの周りで青臭い行動をして失敗した人がいたら、
ニヒルに笑ってつぶやくのです。

「みるいからさ……」。

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2006年3月 1日 (水)

【方言】第10回 いーやあ

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

果たして方言なのか分かりませんが、今回のお題は「いーやあ」。

主に女性が使う感嘆詞らしき言葉として、静岡に来てから耳にします。
特徴はそのイントネーション。「いー(↑)やあー(↓)」
という感じに上げ下げするのがコツのようです。

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2006年1月 6日 (金)

【方言】第9回 いかい

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

まだ私が静岡県にやってきて間もない頃のことです。
上司に書類を持っていったところ、こう言われました。
「あ~、わりいんだけど、この表、いかくして。」

い、いかく? なんだ、「いかく」って? ……威嚇? 
シャー! ふしゅー!……って表を威嚇してどうする。

落ち着け……「いかくする」の目的語は「表」……訳語の候補はおのずと絞られる……状況を思い出せ……見えづらそうに目から離していた……すると「大きく」…か?

拡大コピーを持っていった私に、上司は笑顔で言いました。
「お、わりいっけな。」
当たった! ビンゴだ! やったぜ親父!

かくして男は推理力を駆使し、ザ・静岡県人への階段を一歩ずつ登っていくのでした。

<by Ko>

【いかい】[形容詞]

「大きい」の意。主にサイズとしての大きさに対して使われるようである。例文:「いかいいかかね?」(大きなイカですか?)

比較的フランクな形容なので、「大きい」よりは「でかい」のほうがよりニュアンスとしては近い。もしもマギー審司が静岡県人だったなら「耳が……いっかくなっちゃった!」となるわけだ。

若年層が「いかい」を使うケースはあまりなく、「ずら」のように廃れつつある方言の一つと言える。「いかい」は西から伝播したらしく、京都~滋賀などの方言としても聞かれる。もともとは古語辞典にも掲載されている由緒ただしい言葉で、漢字で書くと「厳い」となる。「いかめしい」「いかつい」などと語源を一にし、「大きい」のほかにも「猛々しい」「多い」「はなはだしい」などの意味を持つ、ストロングな言葉であったようだ。

上でもでてきた「でかい」という言葉だが、この「いかい」という形容詞に、強調の接頭語「」をつけて「どいかい」とし、それが縮まって「でかい」となったとする説が有力である。そんな由来を聞くと、「でかい」よりも「いかい」のほうが典雅な表現に聞こえてくるから不思議なものだ。

<by Ko>

<<第8回 「っち」   第10回 「いーやあ」>>


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2005年11月29日 (火)

【方言】第8回 っち

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

電車などで女子高生の話を聞くともなしに聞いていると
時折出てくるのが「うちっちはさ~」「あの子っちはね~」。
「っち」。どうやらこれは複数を表す静岡弁接尾語らしい。
東京弁でいうところの「たち」に当たるようですね。

<『っち』の用例と翻訳>
うちっち → 私たち we
あの子っち → 彼ら・彼女ら they
たまごっち → 複数のたまご eggs
パパラっち → パパラの連中 paparas
モンチっち → モンチ衆 monchies
モンチッチっち → 群れをなすモンチッチ monchi-chies

<by Ko>

【っち】[接尾語](複数)/[名詞](の家)

共通語の「~たち」と音としては似ているため、東京などで使ってもまったく意味が通じないことはないと思われる静岡方言である。ただ、うかつに「俺ッち」と口にすると、「かわいいぃ~」などとからかわれてしまうことはあるようだ。「かわいいぃ~」と言われてみるのも悪くないと思う方は、試してみて欲しい。

静岡で「あたしっち」と言った場合、上記で取り上げられているような「あたしたち」にあたる複数形の意味の他に、「あたしのうち」=「あたしの家」を示すこともある。どちらの意味なのかは文脈から判断することとなる。

が、「あたしたち」「あたしのうち」いずれにせよ、自分を内包する小さな空間・グループを意味するので、さほどに大きな誤解は生じないのが面白いところだ。「達」「家」「内」「ウチ(わたし)」「血」「地」など、「ち」という日本語の音には、どこか内側に向かうイメージがあるのかもしれない。

上記「モンチッチ」のように、日常生活で「ッチ」のつく言葉を見かけたら、ひそかに心の中で「~たち」「~のうち」の意味に変換してニヤニヤしてみるのも一興だ。静岡人ならではの楽しみである。

<by Ko>

<<第7回 「ら」   第9回 「いかい」>>   


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2005年10月30日 (日)

【方言】第7回 ら

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

今回とりあげますのは、静岡方言の横綱「ら」です。
シンデレラが死んでるらぁ~?
という静岡ならではのダジャレを成立させる「ら」「だら」は、
東京弁の「ろう」「だろう」に当たる確認・推定の語尾ですね。
静岡弁の中でも、腰くだけ度の高いやわらか方言と言えましょう。
「しゃんねーら?」などはまるでスペイン語かイタリア語のよう……

ハッ!? ……静岡は、柑橘類の採れる温暖な海沿い地域……
お祭り大好きサッカー大好きの陽気な県民性……そして「ら」……

私はここに、一つの仮説を提唱いたします!
「静岡県人=日本のらテン民族」説!!
これが当「腰くだけ方言講座」の達した結論です! ……だめ?

<by Ko>

【ら】[助動詞][確認・推定]

かなり特徴的な静岡方言の語尾である。意味としては上記の通り、「ろう」「だろう」に当たる確認・推定。「旅行、行くだろ?」の意味で「旅行、行くら?」と言ったら、「幾ら?」だと思われて「2泊で宿泊費は3万くらいかな」とリアクションされてしまった、などというエピソードが散見される。

上で例として出てくる「しゃんねーら?」は「しょうがない」あるいは「しょうもない」の意味を表す静岡方言「しゃんねえ」と語尾「ら」のあわせ技。「そんなこと、今言ったってしゃんねえら?」のように使い、「しょうがないだろ?」の意味になる。「シャンネーラ」と書くと「シャネル」とか「シャングリ・ラ(理想郷)」みたいでおしゃれだ。

ちゃっきりぶし」の「あめづらぁよぉ~」という歌詞や、『ドカベン』トノマの「~ズラよ」というセリフのおかげで、他県では「静岡では『ずら』を使う」というイメージがあるらしいが、「ずら」は現在かなり廃れており、使うのはかなり年配の方である。

一方、ほぼおなじ意味の「ら」「だら」はまだまだ健在で、若年層でも日常的に使用する。県内の広い地域でメジャーだが、比較的西部で使用頻度が高いようだ。

「ら」と「だら」の使い分けはなかなか難しく、「行くら」とは言うが「行くだら」とは言わないだとか、微妙に意味が変ってくるだとか、地域によって違うだとか、様々な説が存在する。

静岡弁は全体的にふにゃっとした音のものが多く、ケンカでの使用には向かない方言だが、この「ら」はその最たるものであると言えるだろう。

<by Ko>

<<第6回 「うちゃらかす」   第8回 「っち」>>


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2005年9月29日 (木)

【方言】第6回 うちゃらかす

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※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

<静岡に来て4年目のサラリーマンKoさんの体験>
そう、あれは私が静岡に来て1ヶ月くらいの時でした。
コピー機が止まってしまって困っていると、先輩が言いました。
「まあ、とりあえず、それはうちゃらかしておきな。」
(う、うちゃ? うちゃだらぱー?)

今であれば「放っておきな」の意味であるとわかりますが、
あの時は私も静岡県人として、まだ未熟だったのです。

瞳孔開き気味、口半開きのぽかんとした顔をしていると
「……あれ?これって方言?」「え? そうなの?」
とまわりも顔を見合わせて、驚いた顔で私を見ました。
はじめて感じた、ちょっと異邦人な瞬間。

<by Ko>

【うちゃらか・す】[動詞][サ行五段活用]

ほうっておく、そのままにしておく、の意。相撲の「うっちゃり」と語源を一にする動詞である。スチャラカな感じの音が楽しい。「ほうっておいてしまう」を静岡弁変換すると「うっちゃっちゃう」となり、さらに楽しい。

Uxtu
chauchau

語源は「打ち遣る(うちやる)」であり、「捨てる」という意味の「遣る」に接頭語的に「打ち」が付いて強まったもの。これが音便によって「うっちゃる」となり、さらに「はべらかす」にみられるような「~の状態にさせる、しておく」といった意味の「~らす」「~らかす」が付いたものといえよう。

<by Ko>

<<番外1 愛鷹パーキングエリアで見つけたもの   第7回 「ら」>>


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