【方言】第10回 いーやあ
果たして方言なのか分かりませんが、今回のお題は「いーやあ」。
主に女性が使う感嘆詞らしき言葉として、静岡に来てから耳にします。
特徴はそのイントネーション。「いー(↑)やあー(↓)」
という感じに上げ下げするのがコツのようです。
困った時、断りたい時などにバシッと「嫌!」ではなく、
やわらかく「いーやあー!」と叫びましょう。
英語なら「Oh,No!」中国語なら「アイヤー!」ですね。
静岡県人と中国人の混成グループが困った時は、
静岡県人(女):いーやあー!
静岡県人(男):やいやい!
中国人:アイヤー!
「ア」と「イ」と「ヤ」の3音による国際交流。スバラシイ。
【いーやあ】[感嘆詞]
もちろんのことながら「嫌(いや)」を意味する言葉だが、拒絶というより「掛け声」「合いの手」のようなイメージが強い。つまりは感嘆詞なのであろう。
必ずしもバリバリの拒絶というわけでもなく、照れや困惑、ちょっとしたからかいを表すケースも見受けられる。おばちゃんチックな「あらやだ」や、ちびまる子ちゃんでよく見かける「やだよォ」などに近い言葉と言える。
そもそも「嫌(いや)」のイントネーションに、共通語と静岡弁とでは違いがある。共通語では後ろの「や」にアクセントがあり、「いや」という感じなのだが、静岡では「いや」と前にアクセントがあるようだ。
以前にとりあげた「ばか」もそうなのだが、静岡弁には「否定的な表現を、やんわりと感嘆詞的に使う」という特徴があるような気がする。
「ばっか、そこの交差点を右だよ」(違うよ、というような意味での「ばか」)
「いーやあ! 今頃持ってきたの?」(困惑を示す「いーやあ」)
「うっそ! それいつの話?」(確認や驚きを表す「うそ」)
「ばか」「いや」「うそ」など、どれもそれ自体では強い否定の言葉を、やわらかく「つなぎの掛け声」的に使っている。「やいやい」もこの仲間と言えるかもしれない。
なぜいきなり否定的な言葉を感嘆詞として使うのか? このあたり突き詰めていくと静岡の県民性につきあたりそうな気がする。
<by Ko>
【関連リンク】
⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介
⇒ 静岡方言の本『しずおか方言風土記』
⇒ 静岡方言の本『読んでごろじ 静岡方言考』
「いーやぁ、あんた、そんなことゆってちゃあ」
「なんでぇ?あんたこれでいいだよぉ」
なんていうオバサンの会話はよく聞きますね。
文頭がかん高い声なので、大勢いる場所では周りの注目を集める効果があるかも。
そういえば「あんた」という表現もよく聞くような気がしますヨ。
投稿: 街角探検隊 | 2006年3月11日 (土) 19時28分
「いーやあ」って普通に言いますね。
学校とかで「いーやあ!!やめてよー!」みたいな。
方言だったなんて知らなかったです。
最初の「いー」は凄い高い音になっちゃいます。
男子もよく言いますよ。
投稿: 夏女 | 2006年3月12日 (日) 12時18分
い~やぁ~^^
方言だったなんてぇ~
しかも、「ばか」も?
あたしゃ~最近親方になにかっちゅうと
「ばかばか」言われるモンで「あたしゃ~ばかじゃないよ!」としょっちゅう言っちゃってたっけ。やいやい~。
そんでもって、「い~やぁ~」ってする時、手招きを1回しない?
投稿: おかみさん | 2006年3月12日 (日) 20時04分
うんうん。やっぱりKoは、「い~やぁ~」って方言だと思います。言葉自それ体より、あの独特の上げ下げをする甲高いイントネーションが、静岡カラーです。おばちゃんの井戸端会議に似合いますね。
投稿: Ko | 2006年3月14日 (火) 16時10分