外山 ひとみ(写真家)
外山 ひとみ(とやま・ひとみ) 写真家
富士市生まれ、東京都在住の女性写真家です。
県立吉原高校2年生の時、彼女は買ったばかりの一眼レフカメラを手に、富士山にある親戚の山小屋にお手伝いにゆきました。そこで運命の作品「御来光」を撮影します。
この1枚は「芸術展写真コンテスト」で市長賞を受賞。この時のことを「嬉しかった!」と素直に語る彼女は、これをきっかけにとして写真に魅せられます。
翌年出品した「少林寺けん法の投げ」で、市長賞を二年連続受賞。短大在学中に二十歳で初の写真集を出版。早熟の女流写真家として、周囲からは順風満帆に見えましたが、本人曰くこの頃は「笑っちゃうほどの貧乏」で、大事なカメラを質屋に出し入れする日々だったそうです。
彼女は、写真撮影を職業とする「カメラウーマン」というより、被写体を通して社会や人間のエネルギーを見つめようとする「フォトジャーナリスト」に近いでしょう。時代の空気を切り取る手段として、「写真」を選んだ表現者。
初写真集『家』は、住み慣れた我が家の解体を前に、複雑な想いを抱く住人の表情を追った作品。初期の代表作『十代のツッパリ少女(1と0の世界)』では、原宿の街で不安定な心をもてあます女の子たちにレンズを向け、近年はヴェトナムなどアジア地域で激変する、ひとびとの生活にピントを合わせています。
進むべき道を自分で決め、自分で切り拓き、自分で走る。そうやって生きてきた人にしかない強さを持った彼女は、原風景たる富士山を愛しながら、世界へ深いまなざしを向ける「アジアのかっこいい女」となっています。
<by Ko>
【関連リンク】
⇒ 外山ひとみ 公式ホームページ
⇒ 外山ひとみによるフォトエッセイ『ヴェトナム颱風(タイフーン)』
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