【名所】清水次郎長墓所・梅蔭寺
私Koは、清水に住み始めてけっこうな年月が経つのですが、そういえば次郎長ゆかりの地を訪れたことがありませんでした。これでは親分のお怒りを受けてしまう。
というわけで、次郎長一家のお墓がある「梅蔭寺」に行ってまいりました。と言っても「ツタヤ」に行った帰りに思いついて寄ったという、ますます罰当たりな動機だったりします。
梅蔭寺正面。正式には、幽香山梅蔭禅寺といいます。
禅宗の一派、臨済宗妙心寺派に属し、創建されたのは明応元(1492)年、足利時代のことになります。この年はコロンブスがアメリカ大陸に到達した年。日本国内では翌1493年に明応の政変が起こって足利将軍が追放され、戦国時代の幕開けとなります。
という歴史をあまり感じさせないぴっかぴかの本堂。
それもそのはず、平成15年に建て替えがされたばかりなのだそうです。
さて、次郎長親分のお墓におまいりに行きましょう。拝観料は大人300円です。入り口に行っても誰もいないので様子をうかがっていると、お土産ショップの影に座っていたおばちゃんが「はい、いらっしゃい」と迎えてくれました。
最近まで次郎長のTVドラマが放映されていたというのに、人っ子ひとりいないことにやや不安を覚えます。本当にここに次郎長のお墓はあるんだろうか……。
よかった。ちゃんとありました。立派なお墓です。
ここには次郎長一家のお墓が勢ぞろいしていて、
親分の脇を、女房お蝶・大政・小政・森の石松・仙右ェ門が固めています。次郎長一家の話は、無頼派英雄譚のように伝わっているせいか、こうして幕末から明治を生きた人物なのだという「実在の証」を見せられると、なんだか妙な気分です。
次郎長という人物は「侠客」、つまりは「やくざもの」としてのイメージが強いですが、現在は後半生の「実務家」としての側面が大きく評価されているそうです。激動の明治初期に、駿遠三の治安維持、清水港開港、富士裾野大開墾、若者の教育などに尽力した、と聞いただけで、なみなみならぬ能力の持ち主であることがわかります。現代であればベンチャー企業を起こしていたような人ですね。
奥に進んでいくと、おう、おそかったじゃねえか、とばかりに次郎長親分が迎えてくれます。
すいません。不義理をいたしておりまして。
次郎長親分のいる場所は、
たいへん気持ちのいい小さな庭園になっています。(写真をクリックすると拡大画像が開きます)
ちなみに上の庭園全景写真は
こちらのいまひとつな完成度を誇る顔出し看板の、次郎長ホールからのショットです。つまり、顔出しをするとこの庭園のベストアングルを拝めるわけですね。
まだまだ残暑の厳しい日でしたが、9月に入るとさすがにセミの声は衰えをみせ、かわりにトンボの姿が目立つようになっていました。
ここには親分の銅像だけでなく、その恋女房お蝶をモチーフにした「お蝶弁天」の像があります。
艶な姿の三人お蝶。
なんで三人おんのじゃ、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、次郎長の妻お蝶は実際に3人いたんですね。次郎長は生涯4回の結婚をするのですが、28才の時に娶った2番目の妻が、浪曲などで有名ないわゆるお蝶さん。
苦労のかけどおしだったこの恋女房を忘れられなかったのか、次郎長はこの後の2人の後添えを、どちらも「お蝶」と改名させています。「お蝶」は次郎長の妻が継ぐべき「名」で、それを襲名する、って感じですね。
順路の最後は遺物館。
次郎長一家ゆかりのもの、たとえば親分がつかったとされる手甲脚半などが展示されています。
最後は絵心不足気味な次郎長パネルが見送ってくれました。
すっきりと涼やかな庭園は、これからの気持ちのいい季節に訪れるのに向いています。次郎長一家を詣でたら、午後のひとときをこの庭で過ごし、彼の人が駆け抜けた歴史に想いをはせてみるのも一興です。
<by Ko>
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【関連リンク】
⇒ [静岡有名人列伝]清水次郎長
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⇒ 諸田玲子が次郎長一家の大政を描いた『笠雲』
⇒ 次郎長の妻・2代目お蝶の生涯『からくり乱れ蝶』
⇒ 鬱屈を抱えた喧嘩犬・小政を主役にすえた『空っ風』
⇒ 『次郎長三国志』 村上元三
⇒ 『清水の次郎長』 黒鉄ヒロシ
⇒ 『清水次郎長に学ぶクヨクヨしない生き方』 高田明和
⇒ 『次郎長放浪記』 原恵一郎/阿佐田哲也
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