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2006年11月 7日 (火)

【方言】第12回 チョビチョビ

腰くだけ方言講座
※このコーナーは静岡方言に関する勝手なコラムです。

これは、私がスーパーで買い物をしていたときのことです。

果物・野菜やお肉など、一通りのものをカゴに入れてから、チョコでも買ってくか、とお菓子コーナーに向かいました。
そこにはやはりというべきか、たくさんのお子さんの姿と、それを追い立てるお母さん方がいました。

親ってのは、大変じゃのう……などとつぶやきつつお菓子を眺めていたら、後ろで1人のお母さんが大きな声を出しました。

「チョビチョビすんじゃないのこの子は!」

!? なに? なんですとー? ?

まず思い浮かんだのは、チャップリン。そして加藤茶の2人の顔。
つぎに脳裏に表れたのは「チョメチョメ」のような「伏せ字表現」。
ちょっとお母様、ご子息は伏せ字にしないと言えないようなことをなさって!?

「ちょっかいをだす」「落ち着きがない」の意味だとはっきり知ったのは、数日後に電話で話した、富士出身の母からの情報でした。

【チョビチョビ-する】[動詞(自)][サ変]

(1)落ち着きがなく、軽々しい言動を起こす。
(2)ちょっかいをだす。よけいなことをする。ちょろちょろする。

一般には上で挙げたように「ちょびちょびする」というサ変動詞として使用されるが、
・「チョビくる」といった省略語表現
・「あんたはチョビだね」といった名詞・形容動詞表現
・「あいつチョビいよな」といった若者用語的な形容詞表現
も存在するようだ。

傑作しぞーか弁』には

静岡近辺の学校では「チョビ」は常用語。「あいつチョビ」「ばかチョビい」などと非難される子は仲間内でかなりランクが下がる。口が軽かったり、お節介やきだったり、そう悪気はないのだけれど結果的に余計なことをしてはた迷惑になるような子らしい。(74ページ下段より)

と記されている。どうやら、「おっちょこちょい」のような愛すべき人物への表現ではなく、落ち着きのなさが行き過ぎて、ややうとましく思われるキャラクターに到達してしまった際の表現のようだ。

音の似ている「チョボチョボ」=「ほんのすこしずつ」とはかなり意味が異なるところも要注意だ。全国的に言えば「チョビチョビ」は「日本酒をチョビチョビ飲む」のような使い方が主流。「チョボチョボ」と似たような意味である。

「チョ」という音には「ちょっと」「ちょくちょく」「ちょっぴり」など「少ない」「小さい」という語感がある。「ウチの子がチョビチョビする」も「日本酒をチョビチョビ飲む」も、「すこしのモノや動きを軽んずるマイナスイメージ」という根っこでは、共通している。一言で言えば「ダイナミックさがねえな!」という感覚が「チョ」の音なのだ。

さて、静岡方言には「おだっくい(お調子者)」「まめったい(まめまめしくよく働く)」「きっちゃか(てきぱき)」「ちゃっと(てばやく)」など動作の速いことを表す方言も比較的多い。

ここで仮に、言葉というものが、
A)頻繁に現れるがゆえに、繰り返し表現すべき状況
B)めったに現れないがゆえに、強調して表現すべき状況
の2つについて進化・発展しやすいと考えてみよう。

するとこれらの「スピーディ系」語群は、「県民性としてのんびりしている」といわれる静岡において、珍しいからこそ進化した、Bのケースの語群なのかもしれない。とはいえ、静岡県は地域によってその県民性にかなりの違いが見られるので、まだまだこのあたりは検証すべき余地が大きそうである。

<By Ko>

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【関連リンク】

⇒ 静岡方言辞典『傑作! しぞーか弁』の紹介
⇒ 静岡方言の本『しずおか方言風土記
⇒ 静岡方言の本『読んでごろじ 静岡方言考

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コメント

「まめったい」は静岡弁だったのかあ。
標準語だと思っていたもんで、ブログで普通に使ってしまいました・・。

[
ちょびちょびという方言に初めて触れました。
私は10才で聴力を失いましたので、言葉にはすごい郷愁を感じます。
静岡県の中部での方言に触れて幼少時を過ごしたわけですが子供のじっとしていないときの母親の叱責は「ちんがまんがしてうるさい!」と言う声を今でもおぼえています。

 大井川の東から富士川の西までの範囲では、
 (1)うろちょろする。ちょろちょろする。うろつきまわる。
 (2)落ち着きがなく、軽々しい言動を起こす。
よりもむしろ、力も無いのに指図したり・頼まれもしないのに手を出したりしたときに。「ちょびちょびするな」と言われことが多い。
 今回のシチュエーションでも、母親が買うつもりの無い商品まで、かごに入れようとしてたしなめられている図が想像できる。 

藤枝近辺では、「チョビチョビするな」は「利口ぶって横から口を出すな」の意味で使いました。

私の地元は浜松近辺(磐田)ですが、「ちょびちょびする」というのは「やたらとちょっかいを出す」という意味になっています。
上の子が弟や妹にやたらちょっかいを出して泣かせたりした時に、「もう、ちょびちょびすんじゃないの!」などと言って使っています。

笑えた^^!!
方言に適切なる訳なし!!
私はよく「ちょんビー』と呼ばれていた。
イタズラ好きで、おっちょこちょいで、そそかしくて、飽き性で、ま~あ所謂、普通のクソガキ!!

『ちょびちょびすんじゃない!』
いいですねえ。子供の頃、こうして怒られた経験のある方は多いんじゃないでしょうか。大人は思い切り叱ってる積もりでも、どこか力が抜けてるというか。
 親父やお袋とお茶畑を切り拓いていた時、切り倒した雑木を集めて燃やしていたら、兄貴とふざけていて、その巨大な焚き火に転がり込んでしまったことがあります。
『お前は何をちょびちょびしてるだ!?』父は心配半分のニュアンスで。睫毛も眉毛も燃えて、頭はチリチリになりました。
 同じく大きな木を切り倒している時、急に木が倒れて、びっくりして身動きも出来ずに、倒れてくる木の下敷きになりました。
『何故固まってるだ!?』父が葉っぱの中から這い出してきたぼくに向かって怒鳴りました。死んだと思ったそうです。

小学校の頃、出しゃばるヤツがいると「ちょび」と言われていました。
「ちょびちょびするヤツ」の略で、「頼まれもしないことを出しゃばってやる人」という意味で使われていました。
だから、余計なことをする人がいると「ちょび!」と言ってやめさせるということもしばしば。
「あいつちょびだからなぁ」なんて言い方もありました。

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