『北斎・広重の冨嶽三十六景 筆くらべ』
■『北斎・広重の冨嶽三十六景 筆くらべ』 人文社 画集・教養
2007年、明けましておめでとうございます。新年のおめでたいものと言えば、初夢の「一富士・二鷹・三なすび」と言われるように、やっぱり静岡県人の誇り、富士山ですね。今回は富士山の浮世絵を扱った、ちょっと変わった画集をご紹介します。
富士山を描いた浮世絵というと、葛飾北斎の『冨嶽三十六景』が有名ですが、『東海道五十三次』で知られる歌川広重も、富士山を連作で描いています。それが『冨士三十六景』と『不二三十六景』。
この本は、江戸期の大画家二人の連作富士を、さまざまな角度から比較する形で紹介する画集となっています。
2人の間には絵師として多くのスタンスの違いがありますが、デフォルメを加えつつドラマティックな魅せ方を探究した北斎と、あるがままを写実的に捉えた広重、と総括できそうです。
またこの本は副題に「江戸切絵図冨士見十三州輿地全図で辿る」とあるように、切絵図、つまり昔の地図と照合しながら絵の解説をしているのが面白いところです。
この絵は、一体どこからの風景なのか。昔の地図上だと、この地点からこの方角を眺めたもので、それは現在で言えばここに当たる。そんなことを事細かに分析し、数々の薀蓄を交えながら多角的・立体的に江戸期の「富士の姿」が描かれていきます。
この本を読めば、大絵師たちが何を想い何を見て筆を取ったのか、現代の私たちにも少し分かるかもしれません。
<By Ko>
プレゼント 当選者発表 文太ママ様 (静岡市清水区) yukineve様 (掛川市) ケンチ様 (島田市) ラリー様 (焼津市)
【関連リンク】
⇒ 『北斎・広重の富嶽三十六景 筆くらべ』 人文社 画集・教養
⇒ 『北斎ぬり絵~きれい、楽しい名画12点~』 成美堂出版
⇒ 『もっと知りたい葛飾北斎生涯と作品』 永田生慈 東京美術
⇒ 『大人のぬり絵帖北斎の世界』 日本ぬり絵協会 シーアンドアール研究所
⇒ 『北斎の冨嶽三十六景 千変万化に描く』 大久保純一 小学館
⇒ 『富嶽百景』 芸艸堂
⇒ 『広重ぬり絵きれい、楽しい名画12点』 成美堂出版
⇒ 『広重の暗号東海道五十三次の謎』 坂之王道 青春出版社
⇒ 『日本美術傑作の見方・感じ方』 田中英道 PHP研究所
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富士の山に、和歌、俳句を詠んでいます。これからも宜しく。歌人太聖
投稿: 歌人太聖 | 2007年1月10日 (水) 19時00分
修善寺から見えた富士に一句
霊峰の 雄雄しき姿 雪帽子
投稿: 修斗の爺 | 2007年1月11日 (木) 19時35分