文学の中で見る静岡県
最古の歴史書と呼ばれる「古事記」や「伊勢物語」「竹取物語」等の古典文学から、川端康成の短編小説「伊豆の踊子」や太宰治の「老ハイデルベルヒ」等近代文学まで、静岡県が関連した文学が数多くあります。
特に静岡県の象徴とも言える、「富士山」を取り上げている物語が多いようです。
例えば「竹取物語」では、かぐや姫が献上した不死の薬と帝の手紙を、帝の使いが富士山頂で燃やすシーンが描かれています。(ちなみに山頂で不死の薬を燃やすことにより、富士山は永遠に美しい姿を保つとされ、富士山の伝説として後世にも伝えられています)
そのほか、百人一首に登場する「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ」という山部赤人の歌や、松井芭蕉の俳諧など、富士山は数多くの作品のテーマとして用いられてきました。
「富士山」が当時の日本人の中でいかに存在感のあるものかを見て取れるようですね。
また、軍記物として有名な「平家物語」では、富士川が舞台となった合戦が記されています。「決戦前夜、いっせいに飛び立った水鳥の羽音を源氏の襲撃だと思いこんだ平家の武士たちは、大混乱を起こし戦わずして逃げてしまう」という内容で、平家物語でも有名なシーンの一つになっています。
能でも静岡県が登場します。
謡曲「羽衣」は、静岡市清水区にある三保の松原を舞台としており、古来語り伝えられていた羽衣伝説がモチーフになっています。そのほか華やかさと憂いが両立した「熊野(ゆや)」にも静岡県が出てきます。
近代文学では、川端康成の「伊豆の踊子」、松尾清張の「天城越え」など伊豆をテーマとしたものが広く知られていますね。
富士山や駿河湾、南アルプスなど豊かな自然に包まれた静岡県は、文学の題材として深く人々に愛された地なのでしょうね。
(by 静岡星人)情報提供元:a・un
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