ギネスにも載った世界一長い木造歩道橋「蓬莱橋」
結構歴史のある橋なんだろうなーと思いきや、明治時代に造られた橋のようです。
明治時代、徳川慶喜ゆかりの幕臣たちが大井川の右岸にある牧之原にお茶畑を作ったんですが、牧之原は元々人があまり住んでいなかったらしく、現地ではいろんな生活用品が不足していました。
そのため大井川対岸の島田宿から物資を運んでいたんですが、なにぶん大井川を渡るのは非常に危険。
そこで当時の知事にあたる県令に橋の製造をお願いして、来る明治12(1879)年1月13日、ついに蓬莱橋が完成!
台風や増水等の自然災害にも負けず、今なおその姿を現代に残しています。
ギネス認定の石碑。
蓬莱橋は実際渡ってみるとわかるんですが、結構地面から離れた高い場所にあります。
実のところ、当初は今ほど高い橋であったのではなく、川面から2、3m程度の高さの橋だったんですが、大井川の治水工事などにより両側の堤防の高さが高くなり、それに応じて橋の高さも高くなったそうです。
ちなみに川面からの高さは現在約7mあります。
結構高いですねー。
下から見ると結構高い!
蓬莱橋の維持管理は、現在「蓬莱橋土地改良区」という民間の団体が行っています。
ちなみにこの団体、橋の架設に尽力した人たちの子孫の皆さんらしく、対岸の茶畑を所有している人たちでもあります。
毎年、年間約6万人の来訪者がいるそうなんですが、去年の震災の影響でちょっぴり来訪者が減っているそう。
蓬莱橋は、全長が897.4mということから「やくなし」と語呂合わせが当てられ、「厄なし」=つまり渡ると「厄がなくなる」と考えられているほか、「長い木の橋」であることから、「長生きの橋」=「長寿の橋」ともなり、縁起が良いともされています。
■蓬莱橋と自然災害
橋の途中が工事中でした。
蓬莱橋は橋脚をコンクリートにして強化されているんですが、現在でも大きな台風が来ると、増水による水圧が増加や、流木の衝突などにより、橋脚が少なからず破損してしまうようです。
ちなみに2011年9月の台風12号の影響で橋脚部分の一部が流され、さらに同じ月の15号でまたほかの部分の橋脚を失って、合計で6本の橋脚に被害が出たようです。
被害が起こる箇所は毎回変わるほか、木造の橋という特徴を活かすためには、橋脚強化以外の水害対策は難しく、木造の橋である以上、自然災害での影響は避けられそうもありませんね。
現在の破損部分の修復工事は、今年の3月下旬に完了予定で進行しているようです。
ある意味自然とともに生きる橋と言えそうです。
蓬莱橋は、渡橋料が必要です。
金額は歩行者大人100円、小学生以下10円。
自転車は1台100円です。
定期券もあります。
蓬莱橋には定期券があり、木製の絵馬のような感じの物と紙製のカードタイプの物の2種類。
お値段はどちらも800円ナリ。
木製のものは観光土産としての意味合いが強いらしく、定期として使うのにはちょっとかさばりそうですねー。
最近では定期を通勤で使用する人がいるみたいです。
ドラマとかでもよく使われています。
TBSのドラマ「Jin-仁-」で夏の夜の橋のシーンでも使用された蓬莱橋。
島田市の観光名所としての一日も早い復活を期待していまーす。
(by 静岡星人)
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