浜松東照宮で出世パワーを授かろう!
29歳から45歳までの17年間、徳川家康公が在城した浜松城。
徳川軍1万1,000人対武田軍2万7,000人が争った「三方ヶ原の戦い」にも登場するお城で、この戦いに敗北後、江戸幕府誕生の創始者にまで成り上がったもととなるお城としても有名です。
約300年続いた江戸時代では、藩政260年の間、総勢25代の浜松城城主が誕生。
水野忠邦氏をはじめ、城主13名が幕府の要職に就いたことから、「出世城」と名付けられ、その名を今に残しています。
本丸自体は昭和34年に復元したものですが、この野面積みの石垣は当時のまま。
400年もの風雪に耐えた歴史的な施工技術を見ることができます。
さてさて、若き日の家康公像を知ることができる浜松城内に、「開運様」(家康くんパワーハウス)があるのをご存知でしょうか。
出世大名家康くんとは、「出世の街 浜松」PRプロジェクトの一環として、浜松市が製作したゆるキャラ。
髷はうなぎ、紋はみかん、着物の裾はピアノの鍵盤という、日本全国や世界に誇れる浜松の産物がモチーフにています。
ただ最近「ゆるキャラ(R)グランプリ」でグランプリを取れなかったという理由で、トレードマークの髷をばっさり切り落とし、「出家大名家康くん」と改名して再スタートしています。
マゲの復活はあるんでしょうか!?
祠の真ん中にいる家康くん。
願掛けすれば、あなたも出世街道間違いなし!?
家康公と出世した数々の家臣たちにあやかって、手を合わせてみましょう。
家康公をはじめとする、13名の城主が出世をしたということは、周知のとおりなのですが、浜松城の東にある「浜松東照宮」にもう一人、歴史に名を刻んだ人がいたということが、この頃話題になっています。
ここ浜松東照宮は、静岡文化芸術大学の磯田道史氏が「浜松に史上最強の霊地」として読売新聞で紹介。
なんとここに「豊臣秀吉公」がいたらしいんです。
さっそく足を運んでみましょう。
場所は浜松城から152号線を渡ってすぐのあたり。
手水舎には由緒が書かれていますが、家康公をお祀りしている以外は、明治維新以降に再建されたことしか記述がありません。
頭上にはにゃんこがちょこんと座っています。
なんとも可愛らしい。
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磯田氏曰く、
「浜松城は日本史上最強のパワースポット。恐るべき霊力を持った場所らしく、ここにやってきた男二人に天下を取らせた。日本中探してもこんな霊地はない」
と記しています。
その男二人が「秀吉公」と「家康公」なのです。
派手さのない、こじんまりした境内。
現在は浜松市中区元城町の氏神様だそうですが、ひっそりと佇むという言葉がマッチします。
ここが二人の天下人が訪れた地。
もっと大々的にアピールしてもよさそうですが、静けさに包まれる雰囲気がやけに説得力をもたらしているようにも感じます。
でもいつ頃秀吉公が訪れたのだろう?という疑問が浮上してきました。
磯田氏の文献に基づき、ココで少し歴史のお勉強。
浜松城の前身である曳馬城。
「馬を引く」という名は縁起が悪いと、家康公によって現在の地に名を変えて移すわけですが、家康公時代の前、曳馬城は飯尾豊前守備が城主でした。
その飯尾豊前守備の娘「キサ」が孫に語って残した記録「太閤素生記」に、若き日の豊臣秀吉公が記されていたそうです。
尾張から浜松まで「奉公望み」にやってきた猿に似た男。
異例の出世により、松下家の家来にのし上がりましたが、同僚からの嫉妬により、陰湿ないじめを受けていました。
それを見かねた松下氏が永楽銭を秀吉に与え、本国に帰るよう命じたとか・・・。
秀吉公が16歳~18歳の頃のお話だそうです。
やがて天下人になった秀吉公。
そしてこの曳馬城に入城した家康公。
つまり二人の天下人が戦国時代に存在した場所が、この「浜松東照宮」という訳です。
才能をねたまれ、いじめを受けた秀吉公。
戦に負け続けた徳川家康公。
この地で苦しい時代を生きたことは間違いありません。
二人は後に、天下統一を実現。
この浜松という地での苦労を胸に秘め、“負けん気”で世のトップにのし上がったのでしょう。
こちらは浜松東照宮から見える景色。
二人はどんな気持ちで眺めていたのでしょうか。
浜松市は昭和の時代から現在、世界に名だたる企業を輩出してきました。
もし、二人の天下人と数々出世した13名の城主の生き様がこの地に息づいているとしたら、この街に住む私たちの中にも、“負けん気”が刻まれているのかも。
平成24年、浜松城は天守門復元の着工工事に入りました。
2年間にわたる発掘調査、調査結果および資料調査と基礎として、広島大学大学院 三浦正幸教授の検証による復元図を基に木造耐震構造で復元しています。
ますますパワーアップする「浜松城」と「浜松東照宮」。
出世への願掛けは、この二か所必ずセットでお参りをしたいものです。
あなたも「天下統一=大出世」できるかも?
そのためにはお参りを頼りにするだけでなく“少々の苦労は耐え忍ぶこと”。
二人の天下人がこの地に残してくれた、お約束です。
■浜松城
浜松市中区元城町100-2
053-453-3872
【営業時間】8:30~16:30
【休館日】12月29日~31日まで
【入館料】大人(高校生以上)150円、小中学生は無料
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■浜松東照宮
浜松市中区元城町111-2
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(by tadauchi)
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