浜松市にある地震の厄除けの神社
子どもの頃から地震を危ぶまれ、その対策においては全国の中でもトップクラスの東海地区ですが、皆さんは備蓄品や防災グッズの用意は万全でしょうか?
そんな地震対策ですが、「神頼み」も立派な対策。
今回は浜松市にある地震の厄除けで有名な神社を紹介します。
浜松市北区にある「細江神社」は、地震の神様と呼ばれています。
明応7年(1498年)とその11年後の永正6年(1509年)、この地域で二度の大地震が発生しました。
浜名湖は大津波に見舞われ、大きな被害をもたらしたといわれています。
当時は破滅的な状態で、人々はさぞかし混乱を極めたことでしょう。
しかし、当時、こちらの神社にとある奇跡が起こったそうです。
それが「細江神社」が「地震の神様」と呼ばれる所以となりました。
さっそくひも解いてみましょう。
この神殿の名前は「名神大社角避比古神社(つのさくひこじんじゃ)」。
浜名郡新居町に鎮座し、浜名湖入口の守護神として氏子に厚く信仰されていました。
そんな中、明応7年8月25日に大地震が起こり、この神殿は浜名湖の大津波によって流されてしまいます。
しかし、この社殿は浜名湖を漂流し、上記地図「堀江」と書かれた現在の村櫛へ無事に漂着。
それを見つけた里人は、隠岐大明神の地に仮宮を建ててお祀りしました。
大地震から落ち着きを迎えていたその12年後の永正6年。
なんと再び大地震が起きます。
この仮宮は、またしても津波で流されてしまうことに。
しかし、再び奇跡が!
仮宮は浜名湖を村櫛から漂流し、気賀に漂着したというではありませんか!!
同年にさっそく仮宮を建て、翌年には「牛頭天王社」と称し、以来気賀の総鎮守としてあがめられました。
その後二度にわたる大地震と大津波を乗り越えた拝殿は、地震の神様と呼ばれることになったそうです。
拝殿には「地震除絵馬」がありました。
一方、社務所では神札と地震除守を販売。
地震除守は笛のお守りで、万が一の災害時に身元を知らせるのに役立ちます。
これはいざという時に便利ですね。
割と小さめの神社なのですが、数々のご神木と昔話も残されています。
この楠木の大穴は、大蛇と大こうもりの争いの形跡だといわれているそう。
こちらは「藺草(いぐさ)神社」。
二度の地震により、浜名湖周辺の田畑には塩が入り込んでしまい、農作物は壊滅状態になってしまいました。
困り果てた庄屋たちが領主に訴え、領主は豊後の国(現在の大分県)の領主に相談。
そして豊後の領主から、塩に強い琉球藺(りゅうきゅうい)の苗をもらったそうです。
浜名湖一帯に植えた琉球藺は、新しい産業としてこの地方に活気をもたらしたそうです。
二度の危機にも負けなかった「細江神社」は、2012年に岩手県大船渡町の観光大使をお招きし、復興祈願の厄除けを行ったそうです。
この神殿が、三度目の危機にさらされないよう、心から願うばかりです。
■細江神社
浜松市北区細江町気賀996
053-522-1857
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(by tadauchi)
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