森の中にある小さな菓子工房
あいにくの雨の中、浜松市市街地から1時間半。
やっとこさ、天竜区春野町にやってきました。
山深き春野町は、霧も出てきましたぞ。
この高~いお山の上に、隠れ家的なスイーツの名店があるのだとか。
甘いモノのためなら、エンヤコラ~♪
悪天候にも関わらず、運転にも気合いが入ります。
こちらの新宮池と犬居城址の案内看板付近に、甘味が待っているようですが・・・。
それらしき店はぜーんぜん見当たりません。
あっ!
あののぼり旗が出ているお宅に、ちょっと聞いてみましょうか。
「あの~、すみません~」
「はいはい、ちょっとお待ちを」と登場したのはお母様。
呆然と佇んでおりますと、パティシエである木下さんが登場です。
そうです。
ここがミココリエさんなんです!
「おじゃましま~す」と、ご自宅の玄関をくぐりぬけ、辿り着いたのは小さな厨房。
ここから美味しいスイーツが生み出されているのですね。
この場所は、プレハブを建て増したものなのだとか。
8年間、県内でパティシエをしていた木下さん。
実家はお茶農家を営んでおり、若手の人材不足が危ぶまれていると噂を聞き、帰省することを決意。
パティシエの道も捨てきれず、この小さな工房からスイーツを発信してきたのだそうです。
ご実家が茶園という特性を生かし、自家製茶を使用した「緑茶ロールケーキ」が人気の火付け役。
お茶の葉がひらりと舞う様を表現した、見た目も芸術的です。
お茶そのものの風味がお口いっぱいに広がり、クリームの甘さが絶妙にブレンド。
スポンジはしっとり柔らかく、優しくとろけます。
ちょっとしたプレゼントとしても人気の焼き菓子。
手前から緑茶フィナンシェ、左上はほうじ茶のクッキー、右上は緑茶のクッキー。
緑色が鮮やかですね。
さて、皆さん疑問に思っていることでしょう。
無店舗販売ってことは、どうしたら手に入るの?
パティシエの木下さんにお伺いしました。
「当店は全て予約販売です。浜松、磐田、掛川、袋井、森町までは、商品代にプラス500円で配達しています」
春野までのガソリン代を考えると、その配達料で家に届くなんてお得すぎますね。
でも便利な宅急便というものが存在するのに、わざわざどうして?
「ケーキはお届け日の朝に、作りたてのものを届けています。やはり出来立てが一番おいしいし、味が変わるので冷凍発送はどうしてもしたくなかったんです」
簡単・便利な方向に走りがちですが、美味しい味わいを届けたいという、木下さんのポリシーの上で美味しいスイーツが味わえるワケですね。
ありがたいです~。
「対面でお届けすると、味わってくれる人のお顔も見られるし。特に「この間、美味しかったから、また注文したの」とおっしゃってくださるリピーターのお言葉が、嬉しくて、、、」
どんな商売も、人に感謝されたくて始めたはず。
それにも拘らず、人はすぐに調子に乗って、利益至上主義に走ってしまいがちです。
初心忘るべからず。
一番大事なことなのかも。
素材はご実家のお茶はもちろん、地域の美味しいもの、全国の魅力的な素材を積極的に盛り込んでいます。
そして、嬉しいのは添加物を最小限におさえているということ。
アレルギー持ちのお子様など、相談に応じてくれます。
夢は小さな自宅兼厨房から、いつかはお店を持ちたいそうです。
わんこ好きなので、ペットOKのカフェも併設したりして。
なんて、夢はまだまだ予想図を描いているところのようです。
そうそう、ずっと気になっていました。
店名の「ミココリエ」って、なんの語呂合わせですか?
ご実家の茶園の屋号が「えのき園」。
えのきはフランス語で「ミココリエ」と言うのだそうです。
ご実家の茶園とスイーツを結びつけた木下さん。
親孝行にもいろんな形があるのですね。
「おかげさまでこの頃はスイーツ作りが忙しく、茶園の方はなかなか手伝えなくて、、、」
いえいえ、ご両親は息子さんのご活躍にきっと大喜びのはず。
それだけでなく、天竜茶をよりメジャーにしたいと、ミココリエのスイーツから発信。
パティシエ木下さんは、ふじのくに食の仕事人にも選ばれました。
まさに自慢の息子さんではないでしょうか。
宅配はもちろんのこと、取りにお伺いしてもOKです。
天竜で行楽の後、お土産に持ち帰ってみませんか?
■森の中の菓子工房ミココリエ
浜松市天竜区春野町和泉平298-2
080-2629-9883
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(by tadauchi)
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