願い事がかなうという安倍晴明の伝説のパワースポット
まず安倍晴明についてご説明しましょう。
今から千年前、京の都に疫病が流行り、数多くの死者を出すという惨事が起きました。
その惨事は、疫病の神が憑りついた鬼による仕業であると信じられ、人々は恐怖に陥ります。
しかしそれは鬼ではなく、泰山府君(たいざんふくん)」と呼ばれる人物が、災いをもたらしていると安倍晴明は訴え、祈祷に励んだ結果、無事鎮静化させました。
というのがよく知る伝説でしょうか。
他にも魔力ともいわれるほどの、数々の不可思議な伝説が残されています。
ただなんと言っても千年以上前のこと。
真実はどうだったのかは今なお謎に包まれています。
さて、 国道150号線、東大谷川と大溝川の中間に「晴明塚」という立て看板があります。
高速で走っていると、ついつい見逃してしまいますので、ご注意を。
木々に包まれた舗装もされていない一本道。
え?この先にあるの?
国道の激しく車が通る空気から様変わりし、一気に時代が遡るような感覚を覚えますね。
進んだ先には、古びた小屋にひっそりと手書きの「駐車場」の文字。
これまたミステリアスです。
駐車場からは、そのお姿は見えません。
何だかドキドキしてきました。
車を降りて小屋を過ぎると、ハッと息を飲む感じ。
ぐるりと取り巻く木々の中心に、ぽっかりと広場が登場。
なにやら石が積まれていますね。
ここはただものではないと感じさせる、強い霊気が体全体に伝わってきます。
清々しいものというよりは、ズンと重い感じ。
「ここに足を踏み入れるからには、あなたにもそれなりのお覚悟がおありでしょうか?」
誰かにそう言われているようで、軽はずみに歩みを進めてはいけないような雰囲気です。
ひえ~。
とりあえず座ると崩れてしまいそうなベンチで一呼吸おくことに。
さて、ここで説明を加えておきましょう。
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平安時代、荒波で聞こえた遠州灘に面したこの地に陰陽師・安倍晴明が降り立った。
この地には、しばしば津波が人々を襲っていたそう。
彼は村人の乞いに応じ、ここにあずき色の小石を積み上げ、熱心に祈祷。
その霊験により、この村には津波の災難が無くなったという。
以来、村人は自然の暴威を鎮めた安倍晴明の徳を讃え、この地を晴明塚と称するようになった。
その後、ここで祈祷をすると疫病にかからないとも言い伝えられ、多数の参拝者があったとか。
疫病予防のためには、ここにあるあずき色の石を一つ借りて帰る。
そしてお礼参りには、借りた石ともう一つ、自分で拾った石をここに届けるのだ。
返した石は、どんな色の石でもあずき色に変化するという。
それは、遠州七不思議の一つとされている。
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そうです。
ここが遠州七不思議の1つでもある「晴明塚」なのです。
ちなみに遠州七不思議は全部合わせると7つ以上あります。
そこもまた不思議なことですよね~。
気分も落ち着いたことだし、塚に近づいてみましょう。
安倍晴明の名が刻まれた石の横に、シンボルマークの星形が。
どなたかがお参りをした形跡でしょうか。
花やお供え物が置かれています。
石塚のセンターに置かれた大きい石の上に、丸い玉のような石がちょこんと乗っています。
海に近く、かなりの暴風の地。
落っこちないのかな~?ボンドで張り付けてあるのかな~と、不謹慎なことを考えてみたり。
平安時代から落ちずにこのまま存在しているとしたら、ものすごく謎めいていますよね。
それにしても、本当にきれいなあずき色の石です。
しかも小石かと思いきや、どの石も大きい!!
願いが叶った方からのお礼の言葉が、直接書かれている石もいくつか見つけることができます。
呼吸を整えて、私も一つお参りを。
といっても、特に病気持ちではないもんですから、何をお参りしていいのやら。
覚悟を決めた割には、「え~っと」と立ち尽くす。
とりあえず無病息災を祈願をしてまいりました。
未然防止が大事ですものね!
では一個、お借りしま~す!
いろいろ迷いましたが、ハート形のかわいい石をチョイス。
他に誰もいないせいなのか、この神秘的な雰囲気に慣れなくて、気持ちを落ち着かせたいのか。
なぜか思ったことを声に出してしまいます。
石は少し土で汚れていたので、手で丁寧に払い、もう一度お礼を言いに行きました。
「お借りします、ありがとうございます」とぶつぶつ言っていると、背後に人が。
「うわっ!!」と声をあげ、思わずよろけてしまいましたが、集中しているうちにいつの間にか、ご夫婦が祈祷に来られたようでした。
そう、なぜかこの場所は、集中力が異常に高まる。
恥ずかしさのあまり、そそくさと逃げるようにその場を譲りました・・・。
空を見上げると、木々にも霊的なものを感じてしまいます。
車の助手席に置かれた石を、すりすり撫でながら運転していると、石に熱を帯びたように感じました。
陰陽師が説いた陰陽五行説とは、木火土金水(もっかどごんすい)の天文学。
男と女、太陽と月、光と闇。
この世の全ては対であり、お互いに影響を与えているというものです。
石は地球が生み出したもの。お礼参りに訪れるまで、私はお借りした石と対となって、何かを影響し合うのでしょうか。
石を家の中に運び込むと、我が家のスピリチュアル猫がクンクン臭いを嗅いだ後、左右に位置を変えながら、私をジーっと長い間見つめていました。
え?何?
誰しも何かを感じる不思議な空間でした。
■晴明塚
掛川市大渕
0537-21-1149(掛川市役所 商工観光課 観光交流係)
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