天野 浩(あまの・ひろし) 電子工学者・ノーベル賞受賞者
天野 浩(あまの・ひろし) 電子工学者・ノーベル賞受賞者 1960年9月11日生
2014年にノーベル物理学賞を受賞し、一躍時の人となった名古屋大学教授です。
出身は浜松市。広沢小学校在学中はサッカーやソフトボールに熱中しており、勉強より体を動かすことが大好きでした。ただ、サッカーではゴールキーパー、ソフトボールではキャッチャーを務めていて、全体を見渡して指示を出す頭脳的ポジションが向いていたようです。
蜆塚中学の生徒だった頃にはアマチュア無線に熱中し、スズキの技術者だったというお父様の血筋を見せ始めます。得意な数学はもちろん、他の教科も熱心に勉強して、浜松西高を首席で卒業。名古屋大学へ進学して、研究者の道に進みました。教官からの信頼も厚く、昼も夜もなく研究に明け暮れ、研究室は「不夜城」と呼ばれました。
ノーベル賞受賞の対象となったのは、青色LEDの開発の功績です。
LEDは「Light Emitting Diode 『発光ダイオード』」の略。元指導教官で、共同研究者となった赤崎勇教授とともに、実現が困難と言われていた、安定した青色発光ダイオードを作り上げました。
もうひとりの受賞者・中村修二氏は、両教授の製造法を改良して劇的にコストを下げ、青色LEDの実用化を大きく進めました。
青色LEDの開発がなぜすごいかというと、発光に使う素材「窒化ガリウム」の精製がとても難しかったから。不可能とも言われていました。「青いバラ」「青いチューリップ」も作るのが困難らしいですし、青は人間の技術に立ちはだかる色なんですね。
もうひとつの偉大な点は、すでにあった赤色LED、緑色LEDと合わせて「光の三原色」が揃い、LEDであらゆる色を表現できるようになったことです。これによって私たちの身の回りの明りは、信号機や電光表示板などをはじめ、どんどんLEDに置き替わっています。
LEDは低電力で、寿命も長く、放熱が少ないため、省エネで安全性の高い光と言われます。赤崎教授、中村教授、そして天野浩教授が夜遅くまで研究室にともした明りは、私たちを照らす新しい光を生み出しました。
街頭でダイナミックに輝く大型ビジョン、夜の街できらめく華やかなイルミネーションを見かけたら、青色LEDの生みの親「東方の三博士」の努力に思いを馳せてみてください。
(By Ko)
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