街歩きの合間に立ち寄れるスタイリッシュな水族館。静岡街中に誕生した癒しスポット「スマートアクアリウム静岡」: TNC静岡ジモティーズ

静岡県内の気になるスポットをご紹介するこのコーナー。今回のテーマは「静岡街中の百貨店内にある、アート鑑賞感覚で立ち寄れる水族館」です。

水族館といえば郊外にあって、行くぞ！と意気込まないとなかなか行けないイメージですが、今回ご紹介する「スマートアクアリウム静岡（SMART AQUARiUM SHIZUOKA）」があるのは百貨店の中。

コンセプトは「街中の、暮らしに寄り添うスタイリッシュな水族館」。お買い物やランチに出かけた時に、気軽に立ち寄れるのが魅力です。

JR静岡駅前にある松坂屋静岡店は、創業90年の老舗百貨店。2022年4月、25年ぶりの大規模リニューアルにより、７階ワンフロアが丸ごと水族館になりました。百貨店に常設の水族館が入るのは日本初です。

エスカレーターで７階へ向かうと、照明がダークになり、雰囲気がガラリと変わります。展示用の水槽は44基あり、約100種類の小さな生きものを見ることができます。

「ウエルカムゾーン」で出迎えてくれるのは、世界文化遺産でもある三保松原をイメージした立派な盆栽と水槽。背景には四季を表した映像が流れ、まるでアートのよう。水槽内で泳いでいるのは、三保に生息している「マアジ」。静岡県民には馴染み深い魚です。

展示エリアは「眺める/NAGAMERU」「繋がる/TSUNAGARU」「見つける/MITSUKERU」「装う/YOSOOU」「和む/NAGOMU」の5つのエリアに分かれています。

まずは「眺める/NAGAMERU」のエリアへ。床に投影される光の看板がゆらめき、まるで水中にいるかのよう。水槽一つ一つがライティングで演出された額縁に入っており、まるで動く絵画のようです。

「テラポゴン・カウデルニィ」。動きが少なく、眺めていると、まるで時が止まったように感じられるから不思議

「繋がる/TSUNAGARU」のエリア。一つの生きものの、さまざまな“繋がり”について図鑑のような壁面グラフィックで解説しています。アマゾン川の魚や、周囲にまぎれる魚、空気呼吸をする魚など、興味深い内容ばかり。スタッフの方が実際に現地へ行って撮影した画像などもあり、調理方法を説明しているものも！

一瞬どこにいるか分からないことから、まぎれる魚といわれる「トランスルーセントグラスキャット」。よく見ると骨が丸見え！

「DISCOVERY（ディスカバリー）」は、水槽の前に椅子があり、じっくり魚を観察できます。海や水をテーマに環境、物語、科学関係などの書籍も並び、自由に閲覧できます。

水槽では植物など魚が実際に住んでいるような環境が再現され、自然に生きている様子をリアルに覗いているかのよう。魚たちも気持ちよさそう！

壁面のモニターには、館内の研究室（？）に所属する、イチゴヤドクガエルのオスカルくんが。ただの映像ではなく、ちゃんとお話しできるんです！オスカルくんは生きものに詳しく、頭脳明晰。展示に関するいろいろなことを教えてくれます。

生きもののクイズか、おみくじに挑戦できる

一角に設けられた「見つける/MITSUKERU」のコーナーは、まるで収納庫に入り込んでしまったような、ちょっとワクワクする空間。魚だけではなく、さまざまな生きものの標本が並んでいます。電子顕微鏡で拡大して観察できるのが面白い！生きものの骨格を想像して絵を描くコーナーもあります。

「ヤモリ」の透明骨格標本。繊細で美しい

「装う/YOSOOU」のエリアでは、生きものの洗練された色彩やデザインの機能を知ることができます。床と壁に描かれた特徴的なデザインは「ニシキテグリ」という魚の模様。百貨店ならではの、ファッションを意識した華やかなコーナーです。

色彩がおしゃれ！床と壁の模様のモデルとなった「ニシキテグリ」。

最後のエリア「和む/NAGOMU」では、日本特有の美意識「わびさび」を演出。印象的な生け花をはじめ、鮮やかな赤や白で彩られた装飾とともに、美しい色彩の魚、神秘的な形をした生きものなどが見られます。

子どもに大人気の「チンアナゴ」

すべてのエリアをめぐったあとのお楽しみは、ミュージアムショップ「COCO AQUA」でのお買い物。魚をモチーフにしたお菓子をはじめ、生き物や水をイメージした商品が揃うセレクトショップになっています。ここでしか買えないオリジナルクッキーは食べるのがもったいないほどかわいい！ミュージアムショップは、水族館に入館しなくても利用できます。